紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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、


「A、上手だねー」

「でしょ？最近ずっと練習してるの」


運動神経も身体能力も高いだけあって
いとも簡単にボールを操る。


ベランダに出てサッカーボールを蹴る。



「ヒールキック？
出来るようになりたいんだー」


「Aなら出来るんじゃないのかな？」


お手本になるかはわからないけど
試しにやってみせる。


「それ！さっすが陸さん！」

「りっくんでいいんだけどなー」

ボールをパスすると
綺麗な動きをするA


「りっくんって呼ぶときはお願いがあるとき」

「たしかにそうだねー」



甘えた声で呼ばれるたびにドキッとする。

お願いがあるからだなんて
とうの昔から気づいてるけど

それでもあの甘い声に頼られたくて

あの甘い声でずっと呼んで欲しくて



「それに、りっくんって呼んでたら
ずっと甘えちゃいますもん」


ずっと甘えてくれていいんだけど
そんなこと君にはわからないんだろうな




「陸さん！パース！」


たった数メートル離れている君が




やけに遠く思える




初めて出会った頃にくらべて

どんどん成長していく

追いつかれることのない年齢より
追いつかれそうな大人っぽさに

いつから目をそらしてきたんだろう


「リフティングも５回できるよ！」

「５回！？１０回目指してよ！」



眩しいくらい輝きを増す君に



「じゃあ、見ててね！陸さん！」



愛しさが増す。


、

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