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「黒は何枚あってもよくない?」

「確かに…そうかも。よし、買お」


Aは大層気に入ったみたいで
もう一度鏡の前で軽やかに回る。

スリットから覗く白い足にドキッとする。



あー、これはやばい。


「脱ぐからもうちょっと待っててね!」


カーテンを閉めたAのあとを追うように
カーテンに手を伸ばした。



「なぁA」

「わっ、なに!?」

「背中の紐、取れる?」

まだ脱いでいなかったことに
ちょっと残念な気持ちになるけど

カーテンを少し開けたから驚いたみたいで
何も見られていないのに赤くなるA



「あ、ちょっと取れないかも…
店員さん呼んでもらってもいい?」

「…いいよ、俺がやる」

髪をひとまとめにし、サイドに流す。


「えっ待って!壱馬くん!」

「なに?」

わざとらしくゆっくりとリボンをほどき
わざとらしく白い背中に手を這わす。

「あ、えっとその……」


善意で親切でしていると考えたAは
羞恥を堪えて首を横に振る。



え、なにその反応。えろいだけじゃん。


リボンをほどくと
白いうなじから背中が露になる。


「やっ」

なぞるように指を這わすと
息を飲み小さく声をあげるA。


あー、ダメだ。可愛い。



「ごめん、」

「えっ、?」


真っ白い背中に、うなじに、唇を這わす。



「っかず、まくん…?」

掠れる声に柔らかい肌が微かに震えている。



声を抑えているのも、
この状況の羞恥に震えているのも

全てが煽る材料にしかならない。


ちゅっ、とわざとらしく音を鳴らす。


「んっ……」

身に纏う服と同じくらい色っぽさが溢れる。


ダメだ、と脳に警鐘が鳴り響く。

それでもこの白い肌に吸いついて
赤い痕を残してしまう。



「…A、可愛い…」



涙を目に溜めて真っ赤になる顔
羞恥に震える姿を見ると抑えられない。


「かずまくん…まって……」

息遣いが少し荒くなるA
それを見て俺はまた赤い痕を残してしまう。



次第に聞こえなくなってくる警鐘と
再び頭によぎる指でなぞった本のタイトル。


稚拙なタイトルに笑ってしまうのに
消えないように夢中で赤い痕をつけて




『白い肌を傷つけさせて』



読んでもない本のタイトルに心を寄せた

A.R→←.



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やなぎ(プロフ) - ずっと3まで繰り返し読んでいたのですが、4も出されていたのですね!読みたいのですがパスワード教えていただけないでしょうか… (2021年1月17日 0時) (レス) id: 9aa5824c73 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 4の方読ませていただきたいのですが、パスワード設定になっておりますので、解放していただくことは可能でしょうか?( ; ; ) (2020年12月27日 20時) (レス) id: 6f69a06b14 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 梨味さんの書く作品、めっちゃ好きです!ドキドキハンパないです!特に壱馬くんと翔平君はめっちゃリアルっぽくて好きです!これからも更新楽しみにしてます! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 27389578a5 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - ryoさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて大変嬉しいです!ゆっくりにはなりますが更新頑張らせていただきます! (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - こうさん» 修正をしながら少しずつ更新しておりました。お待たせしてしまい申し訳ありません (2020年2月21日 17時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨味 | 作成日時:2019年9月28日 16時

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