紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

K.K ページ16

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「壱馬くん、この本すっごく面白かった！
特に待ち合わせのお話とー」

俺らの紅一点が貸した本の感想を
リハーサル室で話す。


「俺も待ち合わせの話好き」

「ねっ！お揃いの傘が良かったー」

「だから待ち合わせしたんですよね」


俺とAの話にひょこっとやって来る慎。
慎はAの顔を見てニコッと笑う。



「お揃いのアウター着て」

「あああああああ！！」


「A、うっさい！」


「うるさい！馬！」

注意をする陣さんに悪態をつくAは
顔を真っ赤にして慎をぽすぽすと叩く。

めっちゃ痛くなさそう。
なにより慎の顔が緩みっぱなし。


「はいはい、じゃあ確認のために一回通しで踊るよー」

「「はーい」」


インスタで２人が仲良く同じアウターで
街を歩いている姿を見た。

ストーリーにも上がっていたし
写真としてもあげていて


『はせもり可愛い！』
『お似合いのカップルすぎる！』
『まこっちゃんその場所代わって！』

と慎のファンが大盛り上がりだった。



本読んでる間は出掛けないと思ったのに。



リハーサルで楽しそうに
アクロバットをきめるA


なんで上手くいかないのか


いつでもなんでもそつなくこなせるのに
Aが絡むと何もかも上手くいかない。



「っ、」
「あ、」

移動でAと肩がぶつかる。
Aはアイコンタクトをしてそのままリハーサルを続けた。



「Aごめん、大丈夫か？」

「大丈夫だよ！壱馬くんこそ珍しいね」

音が止まりすぐAに謝る。


「集中できてなかった…」

「そんな日もあるよ！ある！」


いつも笑顔を絶やさないで
俺を、みんなを支えてくれるA

どうしても好きにならない日がない



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