Episode24 ページ25
可愛らしい女性の店員さんは、親し気な笑みを浮かべて話しかけてくれる…のは嬉しいんだけども、割と人見知りな私には荷が重かったり。
「彼氏さんに買ってあげるんですか?」
にこにこしながら店員さんは続ける。
…んー、彼氏?青宗は別に彼氏ではない。ただ誰よりも一緒にいる期間が長いだけで。誰よりも距離感が近いだけで。
――――ちょっと待って、それが彼氏なのか?よく分からん。故に、
「えーっとまぁ、そんな感じかも、しれない…です、はい」
「お姉さんみたいに綺麗な女の子が彼女だなんて、彼氏さんも幸せですね!」
「お、おお…」
濁して答えれば、さらに食いつきが良くなる彼女。
近所の人も、親戚も、皆私を綺麗だとほめてくれるけど、イマイチ自分ではよく分からない。青宗の方がよっぽど美形だと思う。
店員さんが自分のことのように嬉しそうにしているので、私は普段は決して誰にも見せない携帯の待ち受け画面を見せることにした。
…ちなみに、青宗とのツーショット。言っておくが、私が設定したわけではない。青宗が勝手に私の携帯をいじくって、私は元に戻す方法が分からなかったのでそのままにしていただけだが、まさかこれが役に立つ日が来るとは。
「この人が、そうです」
「わああああ、すごい、すごい、超絶美形美男美女カップル!すっごーい!」
「は、はあ…」
凄い凄いと繰り返す彼女に、私はただ曖昧な微笑みを浮かべるだけ。
そしていつの間にかキーホルダーのお会計を終わらせてしまっていた。恐るべし、店員さんの商売力。
まあいいか。青宗が喜んでくれたら嬉しいし。
“はぁ〜、絵になるわぁ、素敵”
とうっとりとため息をこぼす彼女の横から伸びてくる腕が一本。一本?
「…へぇ、こいつがお前の彼氏?」
…ちょっと。横からいきなり出てきて奪うというのはどうかと思うな。
「ハッ、意外。オマエ、自分以外の人間キョーミなかったんじゃねぇの?」
冷たい声色といい、なーんか嘲笑われてるような感じ。ちょっとムッとした。
「基本的には興味ない。興味ある人間の方が稀だから。たいていの人間はどうでもいいし、どうでもいいものは名前を覚える価値もないから、」
言葉の途中で、ガンッと凄い音がした。どうやらこの人が、近くの壁を蹴った音みたい。
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グラニー京子 - 面白かった! (2022年4月4日 14時) (レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…!番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません!…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです!! (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか?←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです! (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです!番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月13日 23時