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正直。思いの外、満喫してしまった。
気づけばカゴにはもう十分のプレゼントが入っている。
まだまだ遊ぼうとするトガちゃんを止めて私はレジに向かった。
ねじれちゃんに似合いそうな、クマのぬいぐるみ。
環くんの驚いた顔が見たいから、タコのマスコット。
ミリオくんは、小さなポーチ。あとで絆創膏を詰めよう。
そしてトガちゃんには＿＿
「以上4点で＿＿円となります。ラッピングはどうされますか？」
『ではこれのラッピングお願いします』
流れるように美しく包装されていくプレゼント。
これをすぐに開けるのは少し勿体無い気がしたけれど。
きっと彼女ならそれも含めて喜んでくれるだろう。
渡されたエコバックとプレゼントを包んだ箱。
トガちゃんは待ってていてくれたのか。
退屈そうだった顔が、私を見た瞬間笑顔に変わる。
そんな彼女に小さな箱を手渡すと、トガちゃんは何か言葉を言いかけていた筈なのに、
口をつぐんで嬉しそうに肩を振るわせた。
「へへへ、可愛い箱。も、貰っちゃっていいんですか？』
『うん。買い物手伝ってくれてありがとう』
「こちらこそ！！嬉しい！Aちゃん大好きです！！」
ぎゅっと抱きしめられる。
そこから伝わる温かい体温は、以前と違って不快にならなかった。
心地よく、なってしまった。
「開けていいですか…？」
『うん、勿論』
「じゃあ、いきます…わ、うさぎのヘアピンだ！猫ちゃんも、ワンちゃんも…！」
時々目が髪に当たっていたトガちゃん。
余計なお世話になりそうと思ったが、想像以上に喜んでくれるトガちゃんに嬉しくなる。
「私、これ大事にします、ずうっとずうっと」
私のあげたヘアピンを持つ手は、か弱く震えていて。
握りしめることさえなかった。
(え、それ全部つけるの？)
(Aちゃんのくれたものは、余すことなく堪能したいので！)
＊＊＊
「おいトガ、なんだそれ」
「茶毘くん。これはヘアピンですよ。Aちゃんが、私にくれたんです！」
「あら。仲良くなれたんですね」
そんな嬉しそうなトガヒミコを見て、死柄木は面倒そうにため息をついた。
……また、Aを殺しにくくなったと。
以降、Aは格段に狙われにくくなったそうだ。
それはトガが友人を失うことを恐れているからでは無い。
「Aちゃんはオトモダチですから」
「私が救けてあげるんです。
そしたら私以外見れなくなるでしょう？」
ああ、救けることが殺すことだなんて！
××
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作者名：花氷 ベタ | 作成日時：2022年10月1日 18時
