Just do it！【ヒロアカ】 (ページ41)

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なのに波動さんはどうしたんだ！！

うわAさんが少し悲しそうな顔してる！！違うの君の為なの！！！

俺の額は汗でぐっしょりになっている。作戦を計画した女子も顔が青い。

Aさんに嫌われるのが怖いわけではない。
その後の波動さんの行動がすぐ予想できてしまったからだ。

『バレンタイン…私貰ってないの』

「そうなの？じゃあ2人だけで作ろうよ。ね？」

波動さんの恐ろしさを常々知る。

自分だけ貰っていないという疎開感から心が弱っているAさんに、
“2人だけ”という言葉を使い優越感を持たせている。

典型的な依存させる方法だ。

波動さんは此方の計画を知っていたのだろう。

そしてその計画を利用するつもりでいたのだ。

僕たちが盗み聞きしていることも承知の上で、今この話をしている。

邪魔をしないでと。そう言いたげに。

「あ、私用事があるんだった！！！！！！」

1人の女子が声を上げる。
ムードメーカー的な立ち位置だったためか、周りも気に留めなかった。

「早く行かないと！！ねじれ、A借りるね！！！！」
『え、私？＿＿うわああああ！！！』

「私も！」「やばいやばい！！！」

複数人の女子が叫びながらAさんを連れていく。拉致みたいだ。

目の前で必死になっている女子を見て謎の疎開感と非現実感が否めない。

Aさんは抵抗もできないようだ。
引きづられるように廊下へ連れて行かれる。

嵐が過ぎ去ったあとの、物音ひとつしない教室でポツリ。

「ざーんねん」

波動さんの笑顔が絵画みたいで。
ヴィランとは違う冷たさを感じ、鳥肌がたった。

＊＊＊
クラスメイト視点

「ねじれにチョコを渡したの、他クラスの子なの」

「私たちはホワイトデーに渡し合おうって約束してたから…！」

『そ、そうだったんだ』

上二つのことは本当だ。Aは安心したように息を吐く。

しかし“ホワイトデーに渡し合う”というのは
ねじれに頼んでAに伝えてと言ったのだが…

見事に利用されてしまった。

あの《3人》はどうにかしてAを引きずり込もうとしてる。

Ｃ組の後輩にも、ヒーロー科の女の子にも誰にも渡さないように。
じっと息を潜めてその機会を待っている。

怖い。

どうにかしてこの子を守りたい。
ただそう思うだけ。

Aさん…勘づいている部分もあるが3人が隠すのが上手すぎて中々気づけない
クラスメイト…あの3人が暴走するのを防ぎたい。