Just do it！【ヒロアカ】 (ページ34)

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それはこんな日常【切島】ページ34

「Aさーん！おはようございます！！」

『切島くんおはよう』

学校も始まった朝。

大きな挨拶に振り向くと
切島くんが手を振っていた。

私も手を振り返すと帰ってくるのは満面の笑み。

楽しげな彼と話したいところだが、
私は日直だ。日誌を書かないと。

すっっっごい名残惜しいが教室に入った。

「A、すっごい顔緩んでる！」

『あ、ねじれちゃん。後輩ってあんなに可愛いの？？？』

「後輩か！やっぱ懐いてくれると嬉しいよね〜」

そう言って私の周りを忙しなく動くねじれちゃん。
恐らく「私はどう？」って聞くつもりなのだろう。

『ねじれちゃんもすっごく可愛いよ〜！！』

「勿論Aちゃんもね」

『い、イケメンだ！！！』

そんなじゃれあい。
そんな日常。

それが続くと、願っているのは私だけではない。
思わず祈ってしまうのは人の性という物のせいだ。

「こいつを無事に返してほしければ、金を出せ！！！」

私たちは今コンビニ強盗に襲われていた。

帰り道、偶然会った切島くんと、一緒に肉まんを買おうとする直前。

独りの客の男性が狂ったように暴れ始め、
男性の店員を床に倒し動きを封じた。

犯人に言われ客全員のバックは遠くに投げ捨てられている。

私は咄嗟に隠れた商品棚により、犯人の死角になっている為、
バックの中にあるマイクは使うことができた。

中にあるスマホで、メールを使い助けを呼ぶ。
電話はバレる危険が高いのでできなかった。

ヒーローが着くにはもう少し時間がかかる。

しかし私は動けないため、状況を把握することはできない。

犯人の名前を知らないと。
声を聞け、犯人の手がかりを、逃すわけにはいかない。

「僕は、個性を持ってる奴よりも強いんだ！！
　早く金を出せ！！刺すぞ、急げ！！」

あの言葉通りの意味であれば、犯人は無個性。
そしてナイフを持っている。

犯人の目線は今お金を詰める店員に向いているだろう。
言い換えれば、今がチャンスということ。

私は消えてしまいそうなほどの小さい声で、咄嗟に死角へ隠した切島くんに声をかけた。

『切島くん捕まった店員の名札の名前を教えて』

「こ、個性を使うなら…俺も協力します」

『切島くんの個性で犯人を拘束できればいいんだけど。
　怪我するかもしれないけど大丈夫？』

勿論。そう言いたげに切島くんは力強くこちらを見る。

私は切島くんに教えてもらった情報を使い、作戦を彼に伝えた。