↓【天喰】 ページ32
クラスメイト視点
＊12月24日から始まります
「あのさ、Aさん。今日の放課後空いて＿＿」
「Aおはよー！今日の宿題難しくなかった！？」
「Aさん、あの」
「おいA。少し手伝ってくれないか」
勇気を出せ天喰！！
腹を括るんだ！！！！
俺を含めたクラスメイトほぼ全員はただそう願っていた。
今日はクリスマスイブ。
おそらく天喰はAさんに上げるプレゼントが選べなくて、
一緒に観に行きたいのだろうが……
何しろ声がちっさい。
いつものように話しかければいいものの、
恥ずかしくなってしまうのか今にも消えてしまいそうな声になっている。
天喰の恋路はクラス全員が知っていた。
とにかく天喰が分かりやすすぎるのだ。
しかしAさんのいる場面でその面を出さないのだから、変に徹底している。
その心に俺らも動かされ、噂話もAさんに向かないよう全員で協力していた。
波動さんも、一言もそのことを言わない。
いや彼女は別の意味がありそうだけど。
ミリオさんはたまに覗きにきてはにやにやしてこっちをみてるし…
……ってまだ話しかけられてないのか。
いつも地獄耳のAさんも一切気付いていない。
このままだと流石に可哀想だ。
俺は意を決して彼女に話しかけた。
「Aさん。天喰が話あるってよ」
『本当！？教えてくれてありがとう、今から聞いてみるね』
俺まじでいい仕事したんじゃないか。
そう思い後ろを向くと、クラスの女子が力強いグッドサインを送っていてくれていた。
＊＊＊
【クラスの女子の会話】
「私ね帰りに天喰くんとAちゃん見たんだよね。
……何で付き合ってないの？？？
Aちゃんもプレゼント用意してたみたいだし、付き合っちゃえよ」
「あの二人が付き合ったら周りの雰囲気浄化されそう」
「絶対癒しカップルになるよね
でも私は遠形くんを推す」
「ぐっ、あそこも捨てがたい。絶対雄英の看板カップルになるぞ」
「結局最終的にはねじれちゃんが一人勝ちしそう」
「「「それだ」」」
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作者名：花氷 ベタ | 作成日時：2022年10月1日 18時
