Just do it！【ヒロアカ】 (ページ17)

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目を開くと同時に、右手が握られていることに気づく。

眠ってしまっている彼女の、不安そうに顰めた眉を見て、思わず微笑んだ。

＊＊＊

私は病院のベットで寝かせてもらっていた。

目が覚めたら、怪我は綺麗さっぱり消えて、驚きで声をあげそうになる。

病院や現場に治癒系の個性を持つ人がいたのだろうか。

今の私には重い疲れが残っているだけ。

カーテンの隙間から見える景色は、真っ黒だった。

もう夜もふけているのに何故【ねじれちゃん】がいるのか。

………私が目覚めるのを、ずっと待っていてくれたんだ。

取り敢えず起きたことを知らせるため、ナースコールを押すと見慣れた2人が飛んできた。

「A！！怪我は、痛く無い！？」

『大丈夫だよ。ミリオくん、ここ病院だから…』

「Aさん動いちゃだめ。ミリオも落ち着いて」

環くんがミリオくんにそういうが、そういう彼も手が異常なまでに震えている。

心配してくれていたことを嬉しく思う。
あの男の手を取ったら、この光景は見られなかったんだ。

少し涙腺が緩みかける。

必死に堪えようとしている時、
私は2人の登場に起きてしまったねじれちゃんに抱きしめられた。

「…………心配したの」

『ごめん、またそんな思いさせちゃって』

「ねぇ謝らないで、知ってるよ。Aちゃんは悪くないこと」

そう言ったねじれちゃんはポロポロと涙を流し始めた。

初めて見る彼女の姿に、私も2人もギョッとする。

急いでねじれちゃんを慰めようと彼女を抱きしめ返した。
シーツに水滴がつき、にじんでいく。

私たちを悲しそうに見つめた後、環くんが口を開いた。

「Aさんはなんでこんな無茶なこと、了承したの？」

『ヒーローになるんだったら、
もっと危険なことをしなきゃ行けない時もあるから、』

「こんな作戦、試験の枠じゃ収まりきらない。
俺は、この作戦を止められなかったプロヒーローたちが、」

『違う、私は無事だから。小さな怪我で済んだし＿＿＿』

「Aさんは、何にも分かってない！！」

環くんが発する声は病院内では怒られてしまうほど大きかったのに、私たちは何も言えずにいた。