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シューッと独特な音を立てて暗い辺りを照らす花火
“久しぶり”
ぎこちなく絞り出した笑顔で廉はそう言った
怒鳴るとか喧嘩になるとか無視するとか
そんなことは心配してなかったけど
廉のその顔があまりにも切なくて
どんな思いで再会の一言を口にしたのか
考えると胸がギュッと締め付けられる気がした
『あっ…、』
プシュッと消える明るさに思わず声が漏れる
廉「ほら、早く。消えるで。」
新しい花火を差し出して
パチパチ弾ける廉の花火の火をもらう
『ありがとう、廉。』
口角を上げてニヤッと笑いかけるその横顔が
変わっていく花火の色に照らされて廉の顔を彩る
暗闇の中で見る好きな人の照らされる横顔
同じものを見てることには変わりないのに
映画館で見た時の愛おしさとは対照的に
切ないその顔に思わず涙が込み上げそうになる
『…れ、ん。』
少し暗くなった横顔が今にも消えてしまいそうで
思わず名前を呼んでしまう
廉「ん？」
『…。』
なんでこんな顔で微笑んでくれるんだろ。
きっと本当は余裕ないはずなのに
どうしたらいいか変わらなくてただ目を伏せると
ポンッと頭に重みを感じてそのまま廉を見上げる
廉「俺は大丈夫やで。」
“はい”と、また新しい花火を手渡される
何も言ってないのに心を読んだかのような言葉に
私を包んでくれるような笑顔
『ありがと。』
それに答えるように笑顔で花火を受け取った
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麗香「じゃあね、みんな今日はありがとね！」
岸「…じゃあ、な！学校で！」
『うん、ばいばい。』
全てを終えて乗り込む車内
車の窓から隣の岸くんたちの乗る車に顔を出す
紫耀の運転する、その車に
勇太「じゃあね、紫耀も。」
紫耀「…うん、またな。」
何か言いたげな岸くんの表情を残して車は出発した
あんなにみんなで騒いだはずなのに車内は静まり返って
まるで目を背けていた現実から手を引かれるみたいに
これからちゃんと、向き合わなきゃいけない。
大丈夫だ。って自分に言い聞かせるように
右手の小指を包むようにギュッと握る
いつもこうすれば強くなれる気がした。けど
…あ、そうじゃん。
行きの電車で気付いた違和感
一日だって肌身離さずにつけていたのに
…家、置いてきちゃったんだった。
今日に限って小指にはいつもの景色はなかった
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まるでこの先の出来事を象徴するみたいに。
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ゆゆゆ(プロフ) - 絶対紫耀くんだと思ってたら違った〜！からの紫耀くんでもう騙されました！！(笑)すれ違いが凄い… (2022年8月30日 2時) (
レス) @page30 id: 2170580ec5 (このIDを非表示/違反報告)
songon100(プロフ) - 1から3まで一気に読ませていただきました！もう寝ないと！笑 続き、読みたくてたまりませんが楽しみは明日に。 (2019年8月26日 0時) (レス) id: 728b8df14f (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - ありさんさん» ありさん、コメントありがとうございます。息抜きに楽しみにしてくださってるなんて、とても嬉しいです！これからも読者の皆様の楽しみになれる作品になれるよう、頑張りますのでよろしくお願いいたします。テスト、頑張ってください！またコメントもお待ちしてますね。 (2017年9月8日 0時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
ありさん - とっても面白いです！テスト期間中のいい息抜きになっています。これからも楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年9月7日 22時) (レス) id: 7b2491b467 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - ゆみかさん» ゆみかさん、コメントありがとうございます。読者の方々の作品への感想や更新を待ち望んでいただいてることをコメントをいただくことで私に届くのでとてもありがたく思っております。これからもよろしくお願いいたします。またコメントもお待ちしてますね。 (2017年9月6日 23時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年6月25日 23時
