86. ページ37
.
「うわ、寒〜〜っ」
向「大寒波やって〜、そら寒いわなー、雪降りそ」
あれから特に何も起きてない寒い冬の日。
大学の講義の時間が康二くんと一緒だったから、
一緒に家から向かうことにした。
何も起きてない…のは起きてないんだけど。
向「そうや、昨日の夜ちょっと遅くまで資料作っててんけどさぁ、しょっぴー夜中の2時とかに帰ってきてたで?
最近忙しいん?」
「うん、分かんない、会わないし何も言わないし」
そう、ほぼ毎日夜中に帰ってきてる。
だから同じ家に住んでるのに会わない。
もうどれくらい顔合わせてないかも覚えてない。
んで連絡もマメじゃないから本当に私たち付き合ってんの?って感じすらある。
向「あ、そうや。なんか今日から実習強化期間やろ?
めめが言ってたんよ」
「そうなの、帰りもちょっと遅いかもしれない
一応舘さんには言ったんだけど」
向「おん、無理だけはすんなよー、じゃあまたなー」
そう言って写真科の方に行った。
強化期間ってのは、実際にある会社とのタイアップ企画で、作品を作るというもの。
私たちの場合は何かの商品やイベントを宣伝するための広告デザインの提案や制作。
何人かで1組をつくったり、または1人で進めたりするこの実習、会社側が選んだ人や班が実際に世の中に出すための制作をイチから一緒にやることができて、就職にかなり有利になる。
ここは選ばれる可能性を少しでも高くするために
班を作る人が多い。
1人で挑戦する人も少なくないけどね、私はまだそこまでの自信ないなぁ。
目「っし、やるかA」
「え、一緒にやってくれるの?」
菜「どういう系かにより得意分野もあるしドキドキしちゃうね」
目「化粧品とかなら女の子目線と男目線でいろいろ考えられるよね
建築とかゲームとかなら得意分野あるかもだけどさ」
「たしかに…」
学内の大きめの会場で、会社側の説明を聞くんだけど
その壇上に立った人は、
いつかみた、翔太のそばにいて腕をずっと握っていた
綺麗な女の人だった。
606人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のりぞー(プロフ) - えええーーーー!!Σ(Д゚;/)/なんだか、悲しい…すごく続きが気になりますが、すでに泣きそうで…(>_<)更新、楽しみにしています。 (3月26日 20時) (レス) @page50 id: d71bdacb2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきんこ | 作成日時:2024年2月12日 22時