87.拭い取れない焦燥感 ページ50
佳織のお兄さんと別れた後、言われた言葉を思い出しながら、また当てもなく歩いた。
“佳織は、まだ自分のそう言った感情が何なのか気付いてないんだと思います。
それか、気付いてても認める事が出来ないか…
どっちかだと思います。”
佳織は、私に対して悪意ではなく独占欲を持っている…？
やっぱり理解出来ない。
昔の事を思い返してみても、途中から独占欲に変わったと思うような事は一つも無かった。
私に向けられる悪意が日に日に大きくなるばかりで、関係の修復に望みを持つ事を諦めたくらいだ。
(でもよく考えたら、私に対する悪意と佳織の過去とは全く関係ないはず…)
あの時…
“私が佳織のお願いを受け入れていたら…”
“少しでも寄り添えていたら…”
そう思う事も何度もあったけど、私は私の家族の方が大切だった。
例え、その家族がこの世に存在していなくても…
それに、佳織なら話せばきっと分かってくれると信じていた。
無理だったけど…
そうやって考えてみても、佳織の過去と私に向けられる悪意は繋がらない。
(相手が私じゃなくてもこうだったのかな…
私だからこんな事になってるの？
どうすれば良かったんだろう…)
こうやって、時々…
いや、何度も考えた。
(佳織のお兄さんは、“あんな風になったのは自分のせいだ”って言ってたけど…
これは完全に親のせいだよね…
でも佳織は、親がして来た事を何も知らないんだっけ…)
私の心は葛藤していた。
お兄さんから話を聞いて、佳織を可哀想だと思った。
でも、同情は出来なかった。
そこまで人間が出来ている訳じゃない。
人には見せない、真っ黒い感情だって持っている…
そうこう考えながら歩いて、気付くと家の近所まで来ていた。
考え事をしながらボーっと歩いてても家に辿り着けた。
体が覚えているのか、迷う事は無かった。
(何だかんだで喫茶店の場所も覚えてたし、本当にBTS以外の事は覚えてるんだなぁ…)
部屋に入り、電気とストーブをつける。
『さて…
私は何から手をつけたら良いのやら…』
記憶が無くなっている事…
表情が無い事…
佳織との事…
仕事の事…
問題は山積みなのだ。
『兎に角、これからの事を考えなくちゃ…』
まずはゆっくり休む事を進められても、私の頭は考える事を止められない。
どうにも出来ないこの現状に、気持ちは焦るばかりだった。
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姫星(プロフ) - 初めまして！お話読ませて頂きました。すごく面白くて大好きです！もしよろしければパスワードを教えて欲しいです。よろしくお願い致します。 (2021年10月9日 20時) (
レス) @page13 id: b0f4fa90f5 (このIDを非表示/違反報告)
Miyoshi(プロフ) - libicalさん» 初めまして！コメントありがとうございます！パスワードはメッセージに送らせて頂きました。ご確認下さい☆ (2021年9月24日 11時) (レス) id: 8b7a46973a (このIDを非表示/違反報告)
libical(プロフ) - 初めまして。お話読ませて頂きました。すごく面白くて、お話に引き込まれてしまいました。もし、よろしければ続きを読ませていただきたいので、パスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。 (2021年9月24日 7時) (レス) @page5 id: 412d77e60a (このIDを非表示/違反報告)
Miyoshi(プロフ) - minhoさん» 初めまして！面白いと言って頂けてとても嬉しいです(#^.^#)メッセージをお送りしたので、ご確認下さいm(._.)m (2021年7月27日 1時) (レス) id: 8b7a46973a (このIDを非表示/違反報告)
minho(プロフ) - はじめまして、凄く面白くて一気に読ませて頂きました！よろしかったら4のパスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2021年7月26日 22時) (レス) id: fefe1bf8de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年4月9日 2時
