84.知ることは同じ苦しみを背負う事 ページ45
『あの……
親に仕組まれてたって？
どう言う事ですか？』
「それは…
話すと長くなりますけど、時間は大丈夫ですか？」
『はい…』
もうすっかり日は落ちていて、ぽつぽつと立つ街頭に灯りが点っていた。
寒空の下、路上で男女が立ち話をする姿は些か可笑しい…
近所の喫茶店、【ピエロ】に場所を移動することにした。
………………………………………
「いらっしゃいませ〜。
2名様で？」
『はい。』
「お好きな席にどうぞ。」
店内にはカウンター席に一人、中年の男性が居るだけだった。
私は奥まった場所のテーブル席へ向かう。
その後をお兄さんが付いて来る。
(あれ？何か凄く懐かしい感じがする…
ここで前に、誰かと会ったような…)
美貴さんと待ち合わせした記憶はある。
何の為にだっけ？
喫茶店に入り中へ進むに連れ、ここでの出来事が思い出せそうで出せない…
「あの…？」
一瞬、今の状況を忘れてしまっていた。
『は、はい！
すみません…』
「席、ここですよね？
座りましょうか(苦笑)
さっきの続きを話しますね。」
『お願いします…』
席に着きコーヒーを注文した後、お兄さんが話始める。
「私が親のしている事をちゃんと認識したのは、自分が高校生の時でした。
ある時、話があるって親に呼ばれて。
私も大学受験を控えていたので、その事かな？って思っていたら…
“佳織の受験は、形式的に一応受けさせているだけだ”って…そう言われて。」
『………』
「急にそんな事を言われて…
混乱したのを覚えてます。
きっと貴女も今、意味が分からないって思ったでしょう？」
『……はい』
「私の家は、曾祖父の代から医者の家系なんですよ。
佳織からこの事は聞いてましたか？」
『いいえ…
初めて知りました…』
「そうでしたか…
まぁ、それで祖父も父も僕も子供の頃は皆、医者を目指して勉強してました。
佳織も漏れ無く、そう言うもんなんだって思って勉強していた筈です…
でも、医者になるのは男だけで良いって言う大人達の勝手な理由で、佳織は医者になる道を外されていたんです。
形だけは受験させるけど女は用無しだ…って。
女の子供は、親族の中でも佳織しか居なかったのもあるかも知れません。
男尊女卑って言うか…
今でこそ女医も活躍してますけど、家の家系では必要ないって言う判断で…」
『それは非道くないですか？！
それなら、初めから受験はしなくても良いと思いますっ…』
.
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姫星(プロフ) - 初めまして！お話読ませて頂きました。すごく面白くて大好きです！もしよろしければパスワードを教えて欲しいです。よろしくお願い致します。 (2021年10月9日 20時) (
レス) @page13 id: b0f4fa90f5 (このIDを非表示/違反報告)
Miyoshi(プロフ) - libicalさん» 初めまして！コメントありがとうございます！パスワードはメッセージに送らせて頂きました。ご確認下さい☆ (2021年9月24日 11時) (レス) id: 8b7a46973a (このIDを非表示/違反報告)
libical(プロフ) - 初めまして。お話読ませて頂きました。すごく面白くて、お話に引き込まれてしまいました。もし、よろしければ続きを読ませていただきたいので、パスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。 (2021年9月24日 7時) (レス) @page5 id: 412d77e60a (このIDを非表示/違反報告)
Miyoshi(プロフ) - minhoさん» 初めまして！面白いと言って頂けてとても嬉しいです(#^.^#)メッセージをお送りしたので、ご確認下さいm(._.)m (2021年7月27日 1時) (レス) id: 8b7a46973a (このIDを非表示/違反報告)
minho(プロフ) - はじめまして、凄く面白くて一気に読ませて頂きました！よろしかったら4のパスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2021年7月26日 22時) (レス) id: fefe1bf8de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Miyoshi | 作成日時：2021年4月9日 2時
