忘れたくない3【YG・JM】

59.無断欠勤始めました ページ4

次の日。
私は生まれて初めて仕事を無断で休んだ。



誰とも話したくない。
何も考えたくない。
とにかく疲れた。
限界だった。



スマホには大量の電話とLINEが来ている。
それも未読のままスルーした。






ー午後2時ー



-♪ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ♪-
玄関のチャイムが鳴る。




構わず居留守を使う。




-♪ﾋﾟﾝﾎﾞｰﾝ♪-
(出ませんよ〜)





-♪ﾋﾟﾝﾎﾞｰﾝ♪-
(いませ〜ん。帰れ帰れ〜。)








-ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…ｶﾁｯ-



『えっ？！』



なになになに！？
何で開いたの？！






---ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ---
ひぃぃぃ…(泣)






ーガチャー
(ぎゃぁぁぁぁ……！！)







「なんだ、居るじゃない！」




『え？何で…？』




「あんたの母親から連絡来たんだよ…
何してんの！全く…。」



友人の美穂が呆れた顔で入って来る。





話を聞くと…



無断で休んだ私に、勿論最初に電話をくれるのは綾さんだ。
電話に出ない、LINEも返さない私。



綾さんは美貴さんに連絡。
美貴さんから私に電話、LINE。
出ない、返さない私。




美貴さんは母へ……




と言った形で、最終的に美穂へ連絡がいったという事らしい…





『え、鍵は？』




「管理会社に、もしかしたら死んでるかも知れないって言って…。
今玄関の外に居るから、謝って来なさいよ。
本当、恥ずかしい…」




『うぅぅ…面目ない…』




私は、玄関の外にいた管理会社の人に平謝り。
私よりも若いであろう男性だった。
申し訳ない気持ちだ…


「無事で良かったです〜。」


と半分泣き顔の笑顔で許してくれた。



………………………………………………………



「ほんっっとーーーに！
何やってんの？！
あんた、30過ぎてんのよ？！」

『分かってますよ…』






「分かってないから言ってんのっ！」

『ごめんなさい…』






「さっきの管理会社の人、ずっと「警察は呼ばなくて良いですか？(ﾋﾞｸﾋﾞｸ)」って。
若いから、こんな経験もした事無かったんでしょうね、可哀想に…。
私だってこんな嘘つく経験したの初めてだわっ！
今日、たまたま私が休みで良かったよ！
そうじゃなかったらあんた、警察呼ばれてたよ！
本当、こっちの身にもなってよね！」

『反省します…』






「反省だけなら猿でも出来る！」

『はぁい………』








「……で？
何があったのよ。
聞いてあげる。」









持つべきものは友である。







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