13話 心配 ページ14
凛音side
紅子ちゃんと別れて屋上を後にした私が、教室に戻ろうと階段を下りていると、階段の陰に人影あった。その人に見覚えがあって、思わず「え…」と呟いて固まってしまった。
その人は私の声が聞こえたのか姿を現し、にやりと笑った。
探「やあ、A…いや、星川凛音さんだったね」
凛音「さぐ、る…」
うっかり彼の名前を呼んでしまったことに後悔した。これで探に私が長月Aだとばれてしまった…今騙してもすでに遅いかもしれないし、いずればれることではあるけど…
探「やはりAだったようだね…こんなところで何をしているんだい?…偽名を使ってまで…」
凛音「…というか、あなたこそ何でここに…それに、私がこの学校にいるって知っててここにいたんでしょ?…どこで聞いたのよ…」
探「何でここにいるかなんて、僕がこの学校の生徒だからに決まっているだろう…
それに、君がこの学校にいると知っていた理由は、僕が君のクラスメートだからだよ、今日僕は午前中は用事があってね…午後から学校に来たんだ。…クラスメートに転校生と言われて写真を見せられた時は驚いたよ…名前は全く違うのに、姿かたちが君そのものだったんだから…」
探にそう言われて反論の余地などないと悟った私は、大きなため息をついて「何の用よ」と問いただした。
探はふっと嫌な笑みを浮かべてゆっくりと私に歩み寄ってきた。探と私の距離がかなり近い、恐らく10cmぐらいだと思う。…さすがに近すぎると感じた私は一歩後ずさりしたのだが、探に手をつかまれて引き寄せられた。
探「さっきも聞いただろう?こんなところで何をしているんだい?」
凛音「…別に…ただ転校してきただけよ…」
探「本当にただの転校なら、わざわざ偽名を使う意味などないだろう?…僕は君が心配なだけだよ…聞かせてくれないか?」
探に正面から見つめられて、もういうしかないと私は悟った。溜息のように大きく息を吐いて、私は探にすべてを話した。
探「…辛かったね…思い出させてすまなかった…」
探が本当に申し訳なさそうにそう告げるので、私は大きく首を振って「大丈夫よ、心配してくれてありがとう」といった。さっきまでは少しギクシャクしていたが、私と探は本来こんな感じなのだ。
凛音「…教室、もどろっか…」
私がそういうと、探は「そうだね」と言って教室に向かった。…私の手を引きながら…
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フランドール(プロフ) - 返信は遅くなるかもですが、他にもなにか気になった点があったらジャンジャン書いてください!! (5月25日 20時) (レス) id: d5ba8a8e0b (このIDを非表示/違反報告)
フランドール(プロフ) - 結歌さん» ご指摘ありがとうございます!!5話については、完全に私のミスです!!ごめんなさい!!14話については睨めつけると書いてねめつけると読みます。私的には睨みつけるよりもこっちの言い回しのほうが好きなのでこうしていたんですが、分かりにくくてごめんなさい!! (5月25日 20時) (レス) id: d5ba8a8e0b (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - また続けてのコメントですみませんm(._.)m これ正しくは白馬を睨みつけるように見てではないんでしょうか? (5月25日 17時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - 続けてのコメントですみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 14話 嫉妬のここの部分 なぜがイライラしてきた俺は白馬を睨めつけるよう見してみて「そうかよ」と冷たく言い放った。するとなぜか白馬は声をあげて笑い出した。 (5月25日 17時) (レス) @page15 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 5話 後悔のここの部分 明日だって、私が都大会に優勝したからという建前 これ正しくは都大会で優勝したからではないんでしょうか? (5月25日 17時) (レス) @page6 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フランドール | 作成日時:2019年12月7日 20時