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「〜〜だ〜？な〜、〜〜〜ること〜〜さ…」
声のする方へ近づけば近づくほど、その声は内容まで聞こえそうなほど鮮明に聞こえてくるようになる
そうすれば自ずとこの声の正体の一つがわかった
『“お父様”…？』
見れば執務室と書かれている扉が少し開き、中から漏れ出した光が暗闇を一筋照らしている。その部屋の中から聞こえる幾つかの声の一つはやはり間違いなくお父様のものだ
生まれてからこれまで毎日と思っていいほど聞いてきた声を間違えるはずがない
(あぁ、ダメだ、このままじゃ)
“叱られてしまう”
それは声の主をお父様だと確信した時に同時に出てきた言葉だ
ただでさえ就寝時間を優に超えている、それにも関わらずこんなお父様達の会話を盗み聞きしただなんて知られてしまったらどんな罰が待っているのだろう
お仕置の恐怖から、私は来た道を静かに音を立てないよう細心の注意を払いつつ戻ろうと執務室に背を向け_
「お前は何をやっている？」
『ｯ、！』
ようとした時に扉の内側から発せられたのであろう比較的大きな声に肩が大袈裟に跳ねる。静かに…けれど明らかな怒りを含めたその問いに一度落ち着いて後ろを振り返ってみれば
その言葉は私に向けられたものではなかった
背後には誰もおらず、いきなりのことに喉に詰まっていた息をホッと吐き出す
ということは…だ、今の言葉は静かな怒りを含んだ言葉は誰に向けたものだったのか
(お父様はここで一体誰と、何を話して…)
「ダメだ」「引き返せ」「見るな」「何も聞くな」「やめておけ」何故か脳内では危険信号がﾋﾞ-ﾋﾞ-と煩くも鳴り響いている
そうだ、きっとこの会話は別に私が知る必要なんてないんだ。もし身近なことならば明日にでもお父様は直ぐに教えてくれるだろう
(…戻ろう)
こんなことをしている間にも時は刻一刻と過ぎてゆく、これ以上起きていると明日の授業にも支障が出るかもしれない
そうして今度こそ、私は確実に執務室を後にしようとしたのだ
“「人形には面白い劇だゾ?」”
見なくていいのか？と
『え？』
不意に誰かに、何かに、まるで私を引き止めるように各部位に繋がれた“糸”を引っ張られた気がした
突然のことに慌てて改めて周りを見回しても誰もいないし、ましてや“彼”の姿などある筈もない。どうやら私の悩みの種はそのまま育てると、幻覚作用をもたらすらしい
…そう、自分で自分の幻覚だとわかっていたのに
『…少し、だけ』
“人形”の私を引き止めるには、それでも十分すぎる理由だった
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
