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gr「にしても…この写真、非常に綺麗に撮れている。ただ、２人の顔が見えないのが残念だ」
彼は突然何を言い出すのか、ゾム様と私の写っている写真を見て品評を始めた
意図がわからず首を傾げれば、グルッペン様は先程と同じように再び自身のトレンチコートから１枚の紙を取り出す
gr「ほら、こっちの写真の方が２人の初々しい表情が見えて良いと思わないか？」
「ッそれはｯｯｯ！」
『！』
お父様の目が開き切るのでは無いかと言ったくらいに見開かれる。さすがの私も少し驚いた
彼の持っている紙に載っていたのは…
gr「まぁ、同じような構図でも抱き締めてなど居ないようだが」
ゾム様が私の瞳を覗き込もうと覆い被さるように屈もうとしている写真だった
これも充分迫られているように感じるが、先程の決定的な場面とは違ってお父様の言う“証拠”というものにはなり得ない気がする
「な、何故それを貴様がｯ…！」
gr「この写真に見覚えがあるような言い方だな」
「っ、」
「まずい、」と言ったふうに口を噤むお父様を見て私はやっと理解した。あの写真はお父様がわざと抱きしめられているよう見えるように用意したものだと
“「貸し１つってことで、おなしゃーす」”
gr「これは、貸しを作った甲斐があったな」ﾎﾞｿｯ
「クソｯｯ」
何を思い出したのか微かに笑みをこぼすグルッペン様。けれど今は正直それを気にしている暇はなかった
あぁ、どうしよう。このままだと…このまま、我々国に追い詰められてしまえば、
(クランウェルが、お父様が、負ける)
その事で今の私の脳はいっぱいだった。このままではお父様が望んだ未来は絶対に迎えられないという事実
また、私は２人の役に立てない
……だが、ここで私は思い出した
『貴方達の目的は…幾つかあると仰っていました。つまり、クランウェルを追い詰めに来ただけじゃない…ってことですよね』
gr「…流石。察しがいいな」
クルリと私の方に向き直ったグルッペン様はコートを翻し私の目の前まで戻ってくる
彼は私より身長が高いために少し見上げる体勢になるが……すぐに見上げるために曲げていた首は楽になった
『えっ…？』
グルッペン様が、私の前に跪いたのだ
『なに、を…』
戸惑う私に構わず、彼はそのまま私の左手を取り…
ﾁｭ
まるでいつかの生誕祭と同じように、私の薬指へと優しくキスを落とす
姿勢はそのままに彼の視線だけが私に向けられた
gr「A・クランウェル様。」
正式に俺と婚約して頂けますか。
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
