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『えっ…？』
動かそうとした手を、誰かに背後から制された。傍から見れば後ろから抱きしめられているようにも見てるかもしれない体制だ
『なん、で…？』
駒を動かす音以外聞こえなかった世界に、脳に、唐突に心地の良いバリトンボイスが入ってくる
私が発した音はちゃんと“声”になっていたのだろうか。わからない
「ふむ。クランウェル嬢はチェスも嗜んでいるのか………なかなか面白い手を使う」
戸惑う私を知って知らずか、彼はそのまま後ろから私が動かしていたチェス盤を見て楽しそうに笑っていた
『っ、何故ですか…？』
今度はきちんと声を出せた。その証拠に彼は私の言葉に反応してくる
「ん？だってそうだろう、“俺”を撃ち倒す為に自陣の
「個人的に俺はこういう戦略も好きだゾ」と事も無げに彼は何故かどこか満足気に言う
けれど違う、私が貴方に聞きたいのはそこじゃない
『違、います。私、は何故…貴方が、ここに居るのですか…と聞いて、ます』
喉が渇く、声が震える
『“グルッペン・フューラー、総統閣下”』
gr「久しいな、クランウェル嬢」
グルッペン様に言葉を連ねられると共に、後ろからスルリと重ねられていた手をなぞられた
その行為を追うように目を動かせば、私の視界にようやくこの部屋全体の光景が目に入る
そして…絶句した
『チー、ノ？』
ci「……こんにちは、A様」
「は、離せｯ…離せｯｯ！！！」
「……」
数日ぶりに見るチーノがお父様の首筋に…ナイフを当てていたのだ。その近くではお母様が倒れている
まさか死んでいるのかと、思わず駆け寄ろうとすると、隣で佇むグルッペン様が「煩かったから気絶させただけだ」と教えてくださった
「おい、お前らこの侵入者をどうにかしろｯ！おいｯｯ！！聞こえないのかｯｯｯ！？」
お父様は首元で光るナイフに当たらないよう身動ぎながら部屋の外に待機しているであろう衛兵に向かって叫ぶ
だが静寂が返ってくるだけで突入してくる様子はない
gr「あぁ、外にいた貴殿の“駒”達なら余程疲れていたんだろうな。ぐっすりと眠ってるよ」
「き、貴ッ様…この俺に巫山戯た態度をッ！」
ci「動いたら首筋切れますよ？国王サマ」
「チーノ…ｯお前もだ！俺を裏切りやがって！」
ci「えぇ？？僕が裏切るなんてとんでもない！」
グッとナイフにチーノが少し力を込めた
ci「俺は元々あっち側や」
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
