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そして話の本筋は現在へと戻ってくるのだ
簡潔に言おう。扉１枚、その向こう側の雰囲気は凍てつくように冷えているのが２人の声だけを聞いている私でさえわかる
「…以上、です。」
ファラム宰相が口を閉じれば、数秒の間が空いた後にお父様が喋り出す
「つまりは…何か？お前はグルッペン･フューラーと宝石の利用価値について語り…挙句の果てには、まるで子供の癇癪が理由のような戦争の布石までご丁寧に敷いてくれたと
そう言っているんだな？」
「か、返すお言葉もございません…」
「ﾌｩー………そうか。」
お父様が一つ息を吐き、そう呟いたあとの一瞬の沈黙。それは私が思わず耳を塞ぎたくなるような音で切り裂かれる
______バンｯｯ！と
『っ！？』ﾋﾞｸｯ
その正体は、１発の“銃声”だった。
「ヒィｯｯ！？」
「おいファラム、避けるな。当たらないだろ」
口振りからして、お父様がファラム宰相に向けて護身用の銃を発砲したらしい。その事に対して身体が小刻みに揺れ始めていることに気づく
私の背後で人が故意に…お父様の手によってファラム宰相が殺されようとしている
その衝撃の事実を、私はたった１発の銃声で痛感してしまったのだ
「お、お許しください国王陛下ッ！！申し訳ありません、申し訳ありませんｯ！！」
「…安心しろファラム、俺は怒ってなどいないぞ」
そう言うお父様の声は普段の抑揚と何ら変わらない。それが逆にこの状況の異常さと全く合わず、私の恐怖心を余計に煽る
「俺が与えた役目も真面に果たせないような愚者に、もはや怒りの情など持ち得ていない」
「ﾊｯ、ﾊｯ…ﾊｯ……！」
「なに…心配することはない。別に殺そうとはしていないさ。自分は無能な事をしたがきちんと“反省”しているというお前の誠意を見ようとしているだけだ」
「せ、誠意…です、か、、、？」
「あぁそうさ。お前の利き腕は右だったよな？だったら反対の左で勘弁してやる。お前みたいな無能でもまだ一応部下だ。俺は優しいからな」
いったい何を、どこを思って“優しい”と言うのか、この非情で異常な行動のどこにお父様は優しさを表しているのか…意味がわからない
…なのに、
(頭のどこかでお父様にしては優しい…と、思ってしまう私も、)
私も…大概、“異常”の部類に入ってしまっているのだろうか。
こんな疑問を持った時点で、ハッキリとした答えが出せない時点で、もう答えはほぼ出ているというのに…どうやら私はまだ、認めたくないらしい
私も周りから見て、普通ではないのだと
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
