６５✓ ページ16
.
「何も、ない？ハ、ﾊﾊｯ…ご冗談を。そんなわけがないでしょう？いいんですよ正直に仰っていただいて」
gr「ﾑ…冗談などではない。確かに疑われる理由はわかるが、俺は何も嘘などついてないゾ」
tn(僕らとしてはついてて欲しかったっスわ…)
「意味が分からない」ファラムが今考えていることと言えばその一言に尽きる
この婚約に関して政治的目的がない？ありえない、そんな不合理的なことを態々する必要があるのだろうか、言ってしまえば目的を掲げなければこの婚約は何も我々国に利益がないのだから
「で、では他にどのような理由があると言うのです？土地、財産、資材、王族の血以外となると…この婚約は何もあなた達に有益なものなど」
gr「？まだあるだろう、俺が貴国の皇女に婚約を申し込むに値する理由が」
「まだ…？」
わからないのか、と驚くグルッペンに対しファラムの脳内はどんどんと疑問符で埋め尽くされていく。それを払拭してやるかとでも言うかように彼は言い放った
gr「俺がクランウェル嬢へ婚約を申し込んだ理由。それは…貴国が損をしてると思ったからだ」
「は？損？」
gr「貴方達は価値があるものの汚れが着いた宝石のついた首飾りを、金具が錆び付いているからと言った理由で無碍に扱い、その錆を取ろうと無意味に磨いている
そんなことをせず、」
“宝石自体を磨けばいいものを”
gr「枠組みを磨くなんて不毛な事はせず、金具だけを取り替えてしまえばいい」
「それだけの事」と自分は何もおかしなことは言っていない、と確信しているかのような物言いに対しファラムはだいぶ呆気にとられる
「宝石…？貴殿はあのA様が価値ある宝石だと言いたいのでしょうか？」
gr「………あぁ、無論。だが、別にクランウェルは彼女の価値に気づかなければ気づかないまま過ごせばいい」
そういう風な物言いをするグルッペンの意図が分からないほどファラムは落ちぶれていなかった
「すっ、少しは物言いに気をつけた方がいい…！今の言葉、捉えようによっては宣戦布告ともとれてしまう」
gr「ｸｽｯ “我々”は貴国クランウェルに比べればまだまだ新参者…赤子同然です、欲しいものが手に入らなければせいぜい駄々を捏ねますよ」
「それでは_」と、もうお前と話すことはないとばかりにグルッペンは自身の右腕を連れコートを翻したのだった
tn「…なあ、グルさん」
呆然と立ち尽くすファラムを他所にトントンは自分の総統に眉を顰めつつ尋ねる
tn「アンタ本気か？」
gr「…何がだ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
