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音を立てないように、中にいるお父様たちに決してバレないように…細心の注意を払いながらドアの横に立ち、緊張からくる震えを止めるようにナイトローブを握りしめる
すると先程よりもハッキリと聞こえてきた、中にいる人達の声
「ですが、ルイス様…！」
「この俺に口答えか、ファラム」
ファラム、窘めるように言われたその名前を私は一方的にだがよく知っている
ファラム・ベルト。
彼はクランウェルの宰相を務めている人物だ。なぜ一方的にかと聞かれれば私は彼と殆ど関わることがないから、としか言えない
「命じた事１つ碌にこなせない人物に俺は宰相という地位を与えた覚えはないのだが」
「っ、…ご期待に添えず、申し訳ございません」
出来るだけ息を殺し扉の隙間から室内を覗けば、そこにはお父様の座る前で机に頭を擦り付けんばかりの勢いで謝罪を述べるファラム宰相の姿
話の内容から察するに、お父様の何らかの希望にファラム宰相は良い結果を残せなかったらしい
「俺はお前に直接言ったはずだ。彼奴…グルッペン・フューラーの今回の婚約の意図をどんな方法を使っても探れと」
『！』
今、１番頭の中で新しい人物の名前が出てきて思わず静かに驚く。お父様は私以外にも同じようなことを彼に命じていたのか
「っ、はい。ですが我々国書記長のトントン・シュヴァインが常に隣におり、グルッペン・フューラー単独になったのはA様とのダンス時だけでして…」
「だからお前は一切、彼奴とは、一言も、何も、話さなかったと？」
「い、いえ決してそのような事はｯ！形式的な挨拶を混じえつつ勿論探りを入れましたとも！！;;」
「ほぅ、それなのにも関わらずさっきお前は俺になんと言った？もう一度言ってみよ」
ファルム宰相がお父様の気迫に息を飲んだのが、空気を伝って感じ取れた
普段は感じとれないであろう次の言葉が出てくる瞬間までもわかってしまうくらいこの場は静まり返っている
「…ｯグルッペン・フューラーの考えが…私めには到底わかりません、でした」
「…」
ファルム宰相のそのやっと口から出たと言わんばかり一言が、お父様の神経を逆撫でしていることは目に見えて明らかだった
お父様は…この国はとても現金な性格でもある
有能な人材には優待遇を。無能な人材には
(彼も…きっとお父様に“怒られて”しまうんだろうな)
彼の行く末に見当を付けながらも私は耳を傾け続けた。どことなく…私にとって、必要なことを聞けるような気がしたから
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
