･ ページ19
緑side。
思わず声を出してしまったが、当事者2人はハテナ顔。
「…？あべちゃん…一緒に食べよ？」
翔太がそう声をかけてきて、慌てて俺もお弁当を広げたけど、2人がお弁当箱を開いた瞬間に耐えられず聞いてしまった。
「なんで？」
「え？なにが？」
2人ともキョトンとした顔で質問返しをしてくる。
「お弁当どうして…？」
だって、お弁当箱が色違いなのはまあ、百歩譲ってそういうこともあるよね。
でも、お弁当の中身も全く一緒なんてことはないでしょ。
「あぁなるほど、これは俺が2人分作ってんの。
翔太、ご飯食べるのあんまり得意じゃなくて…。」
あたかも当たり前ですと言わんばかりの顔で教えてくれる舘さんだけど、全然分かんないわ。
「涼太のお弁当は毎日全部手作りなの！」
嬉しそうに教えてくれる翔太の言葉にさらに驚く。
手作りってまじか。
冷食無しでこのクオリティは凄い。
「翔太、卵焼き1個あげるからこれと交換な。」
舘さんが翔太のお弁当からエビフライをとって、卵焼きを入れた。
「はーい。」
翔太は嫌がる素振りもなく、交換を受けいれた。
いやいや、舘さんもエビフライあるのになんで？
この2人といると、聞きたいことだらけだけど、お昼の時間は一瞬。
食べ遅れないように、お弁当に集中した。
「5時間目は？教室行けるの？」
翔太の様子を見ていると、顔色も良くなったし、大丈夫そうかなと思って聞いてみれば、翔太は元気よくもう大丈夫だからって、でも、舘さんはやめといたらって。
「涼太、俺もう大丈夫だもん。」
駄々こね始めた翔太に舘さんも呆れ顔。
「さっきまでお腹痛い〜って、抱っこせがんできたのはどこの誰ですか〜？」
えっだからさっきエビフライと交換したのかな…。
「…でも…もうだいじょーぶになったんだもん。教室行きたい！」
うちのクラスのみんなは、割とみんな翔太に甘くて…
いつもゆり組はセットにしとけって言うくらいには、翔太のことを大事にしている。
翔太もそのことを分かってるから、教室が好きなんだよね。
「はいはい。じゃあ、無理せずね。俺隣いるし。」
「俺も！」
結局折れてあげるのは舘さんで。
手がかかる幼馴染で大変だよ、なんて笑う舘さんも満更嫌でもなさそう。
教室に戻り、5時間目。
1つの教科書を2人で覗き込む姿はなんとも言えなくて。
この2人はきっとこれからも
ふたりでひとつ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1525人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛都(プロフ) - まちこさん» コメントありがとうございます！いつも大変お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも楽しみにしていただけるよう、ゆっくりではありますが書き進めていきたいと思いますので、何卒宜しくお願いします！まちこさんにとって幸せな時間となりますように。愛都ーいとー (2022年2月22日 21時) (
レス) @page43 id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
まちこ(プロフ) - 愛都さんの描かれる甘々なゆり組が大好きなので新しいお話が読めてとても嬉しいです！ (2022年1月10日 12時) (レス) @page41 id: 5f3bab2395 (このIDを非表示/違反報告)
アホ(プロフ) - 数日間翔太君が涼太君に甘えて涼太君も翔太君を甘やかすというのをお願いしたいのですが宜しいでしょうか？長々とすいません。気長にお待ちします。 (2021年5月26日 13時) (レス) id: caf121f86d (このIDを非表示/違反報告)
アホ(プロフ) - リクエストのお願いなのですが、翔太君がストーカーされている事に気づいて泣きながら涼太君に電話していたらストーカーしていた男性ファンに抱きつかれてセクハラされて泣いている翔太君を涼太君が助けて翔太君が涼太君に抱きついて離れず (2021年5月26日 13時) (レス) id: caf121f86d (このIDを非表示/違反報告)
愛都(プロフ) - アキさん» 大変お時間頂きまして、申し訳なかったです。ぬくもり。になります。上手くかけたかわかりませんが、楽しんでいただければ幸いです。今後ともよろしくお願い致します。愛都ーいとー (2021年4月17日 10時) (レス) id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛都 | 作成日時：2020年12月27日 19時
