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須貝side
QuizKnockに新しく女の子が入ってきた。
まぁ、それ自体は別に珍しい事じゃないんだけど、問題は彼女のステータスだ。
まず、東大クイ研絡みの子じゃない。でも別にこれは他にもたくさんいる。
じゃあ何が特殊かって?
そりゃあもちろん、河村の幼馴染で、しかも動画要員として初の女子だという事だ。
彼女については河村からうっすら聞いた事があったが、詳しい事は全然知らなかったので、最初にQuizKnockに入ると聞いた時は正直、大丈夫か?と思っていた。
だが、実際会ってみたら、もうそんな心配は吹き飛んでしまった。
仕事終わりにメンバー数人と飲みに行き、そこに参加していた彼女に声をかける。
「Aちゃんも最近じゃ動画でも結構活躍してるじゃん?」
と話を振れば、他にいるメンバー達も、確かに頑張ってるよねー、と同調してくれる。
『ありがとうございます。』
「いやぁ、Aちゃんすげえよほんとに。」
『どうしたんですかいきなり。』
「んー?だってさ、いきなり女子でQuizKnockの動画に出るのって相当勇気いるやん?」
『まぁ、かなり怖かったですね。』
なんなら最初は社内にも女子メンバーの動画出演に否定的な声があった位なのだが、今ではすっかりメンバーの一員として馴染んでいる。
また視聴者の方からの反応も、まだAちゃんが出ている投稿動画は少ないが、彼女への評価はどれも上々だ。
「ほんま、人柄やなぁ。」
『それ須貝さんが言います?絶対皆さんのおかげですよ。ありがとうございます。』
と頭を下げるAちゃんに、しっかりしてるねぇ、なんて声が飛ぶ。
だけどいい子よなぁ、本当に。
「なんか今度企画もやるんでしょ?楽しみにしてるよ。」
『うわぁ、そう言われるとちょっと怖いですけど、はい、何とか頑張ります…』
と、少しぎこちなくなった彼女に、みんなついつい笑ってしまう。
「大丈夫大丈夫。企画が通った時点でもうクイズは面白いんだから、あとは回答者の力量よ。」
そんなに心配しなくて大丈夫よ、と言えば、少し安心してくれたようだ。
これからますます楽しみになってきたな。
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時