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Your side
福良さんは別の仕事があるそうで、他の女性社員の方とバトンタッチして諸々の説明が始まる。
どうやらこの方が私のサポートについて下さる方らしい。
もしかしたら福良さんは、私が初日だからわざわざ最初に時間を取って下さったのかもしれない。
一通りオフィス内を周り、部屋の場所や主に何に使っているのかなどの説明を受け、業務に関する話がはじまる。
「基本的にはリリース前の記事とか動画のチェックを担当してもらう事になると思います。楽器の練習とかも大変だろうし、あんまり出社はしなくても良い様に調整するつもりだからその辺は安心してね。」
『お気遣いありがとうございます。』
と頭を下げれば、それでもスケジュール的に厳しい事とかあったら遠慮なく言ってね、と笑顔で言って下さった。
本当に頭の良い人って優しい人が多いよなぁ。
「あと、作問の方法とかも覚えていってほしいです。クイズは結構やった事あるみたいだから、そんなに気負わなくても出来ると思うけど、まぁ分かんなかったら私でも誰でも、聞けばみんな教えてくれると思うし。」
『あぁ、そうですよね。作問は全く経験がないので…がんばります。』
思わず苦笑いすれば、うん頑張れ!と笑われる。
QuizKnockだもんね、そりゃあクイズ作らなきゃダメだわ。
「あとは、動画メンバーになるって件だけど、今日投稿する例の藝大動画の反応次第で、色々考えていこうって事に今のところはなってます。」
『分かりました。』
結局あの日に撮った動画は、尺の関係もあり、授業部分をできるだけ除いて私の出演シーンを最低限にしたものをメインチャンネル、授業部分のほぼノーカットバージョンと伊沢さんとの即席早押し対決をサブチャンネルに投稿する事になった。
正直、いきなりメインチャンネルにも出る事になるとは思っていなかったのでとてもビビっているのだが、こうなったらもう後は野となれ山となれだ。
「まぁ最初は色々大変かもしれないけど気軽に頼ってね。」
『はい、ありがとうございます。よろしかお願いします!』
1番は先輩が優しそうでよかった。
他の社員の方々もみなさん良い人そうだったし、とにかく足を引っ張らないように、まずは自分の仕事をきっちりこなす事から頑張ろう。
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時