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Your side



思い切ってお2人に耳のことを打ち明けてみた。

表情から相当驚いていることが窺える。

やっぱりそうですよね。

QuizKnockと関わるきっかけになったの記事だって、耳が良いって事で出た訳だし。

伊沢さんと福良さんが目を見合わせている。

しかし、すぐにその目は切り替わって。



「じゃあさ、本気でちょっと考えてみて。詳しい事はまた連絡するけど、まぁ最初は雰囲気知りたいだろうしバイト的に入ってもらって、自分の勉強と両立出来そうかとか判断してくれればって感じかな。」



本当はいきなり動画要員で入ってもらいたい所だけど流石にね、と苦笑いしながら伊沢さんが言う。



『分かりました。色々お手数おかけすると思いますが、よろしくお願いします。』



そう言って頭を下げると、伊沢さんと福良さんもこちらこそ、と頭を下げ、それに釣られるように何故かたぁ兄もぎこちなく頭を下げた。

なんかこれ、周りから見たらすごいシュールな図だな。

さて、こうなったら色々大変だぞ。

まずは単純に、まだ見た事のないQuizKnockの動画や記事には目を通した方が良いだろうし、そもそも今日の動画への視聴者の方からの反応によっては伊沢さんの考えも変わっちゃうかもしれないし、

あぁ、怖いなぁ。

怖いけど、だけどとっても楽しみだ。

解散して皆さんと別れた後、早速帰りの電車で既にブクマしてあるQuizKnockのページを開く。

最近の記事になればなるほど意外とまだ読めていなかった記事が沢山あって、何だか申し訳なくなる。

これからしばらく移動時間はQuizKnock漬けになりそうだ。

けれどそんな事より、私の中ではもう一つ大きな壁があった。

それは、両親への報告だ。

流石にバイトとはいえ、私としては今後のことも考えて、それなりの覚悟の上で引き受ける事にした話だ。

両親にだって伝えた方が良いに決まってる。

けれど、それを話すという事は、耳のことも説明しなきゃいけない。

別に怒られる事じゃないし、QuizKnockの事だって別に反対はされないだろう。

でも、今まで音楽家という不安定な職業なのにも関わらず、音楽をやりたいと言った私に沢山のお金をかけてくれていた事を私は知っている。

それを思うと、どうしても申し訳なくて。

あぁ、なんて伝えればいいんだろう。

そうして私は、いつものようにメッセージアプリの1番上にある彼の名前をタップするのだった。

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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時

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