epi.13 撮影と ページ14
福良side
そうしてやってきた撮影当日。
彼女の説明は本当に分かりやすく、そしてトークも軽快で、収録はなかなか盛り上がった。
また、参加していた撮影スタッフ達ともかなり打ち解けた様で、休憩中にも色々話している姿を見かけた。
撮影も、長くなるかと思って1番最後に回していたのだが、殆ど予定通り終わる事が出来た。
「いやぁ、めちゃめちゃ楽しかった!ありがとね!」
『いえいえこちらこそ、流石みなさん理解力が高くて助かりました。』
Aちゃんとは収録中にすっかり打ち解け、俺や伊沢もちゃっかりタメ口でお話するようになっていた。
彼女からは流石にまだ敬語だが、たまにほんのり関西のイントネーションが混じるようになっていた。
あれ、でも河村って栃木だよな。どういう事なんだろう。
まだまだ謎が多いな、なんて思っていると、伊沢がAちゃんに話を振る。
「相当教え慣れてる感じだったけど、友達とかにも結構教えてるの?」
『まぁ、はい。高校生の頃から結構色々聞かれることは多いですね。』
と笑うAちゃん。
「やっぱりなぁ。ちょー手馴れてたもん。」
なんて話しながら色々機材を片付けようとしたところで、ある事を思いつく。
「あ、そういえばAちゃんってさ、クイズ好きなんでしょ?」
『え、はい、好きです。でもクイ研に入ってたとかそういう訳じゃないんで、全然分からないことばっかりですけれど。』
「どう?今早押し機あるし、軽くやってみる?」
『え、良いんですか?』
と、Aちゃんの目が見開かれる。
「お、いいじゃんやろうよ!じゃあ俺相手するわ。」
「それなら僕は出題に回ろうかな。」
と、ノリノリで準備を進める2人に、
「せっかくだし動画も撮っとく?サブチャンとかに使えるかもしれないし。」
と提案すれば、
「おぉ、いいねぇ!え、Aちゃんも大丈夫?」
と早速伊沢が乗ってくれた。
『私なんかでお相手が務まるのか分からないですけど…』
「大丈夫大丈夫!うわぁ、楽しみだわ。」
と、ウキウキでボタンを握る伊沢。
さて、じゃあ俺は高みの見物といきますか。
162人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時