fall into the hand of #1 trsk 【11/16】 ページ18
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第一印象は取ってる授業がかなり被ってる、真面目そうな人。
たまたま席が隣になった時に同じ学部だと知り、それから共通の友人(後輩)である林くんを介して仲良くなった。
友人になってからの印象は変わらず真面目だけど笑顔が可愛い人って。
……それだけだった、はずなのに。
『ねえ、鶴崎くん』
「なに？」
『鶴崎くんって有名人だったんだねぇ』
「……有名ってほどでもないけど、」
“有難いことにテレビに出演させていただいてるね”と口にした。
そう。今の今まで彼がテレビにも出てる有名なクイズプレイヤーだと、テレビに疎い私は知らなかった。
おまけにYouTubeにまで出てると告げられて吃驚半分、納得半分だ。
なぜ納得かって？
“鶴崎さんですか？”と度々声を掛けられているのを見てたから。……それも、隣で。
『YouTubeもなんでしょ？』
「あれ、知ってたの？珍しい」
『林くんが言ってた』
「へぇ。……あいつも同じテレビとYouTubeに出てるけど」
『え』
“それは聞いてない！”と言うと目を丸くさせて“知ってるのかと思った”と笑われる。
林くんも出演してるなら早く言ってくれたらいいのに。
いくら疎くたって見るのに。
2人して隠し事なんて、と唇を尖らせると“別に見なくていいよ”と彼が呟いた。
『心読まないでよ』
「分かりやすいから、つい」
『しかも見なくていいなんて』
まるで見て欲しくないみたい。
…なんてことは言えず。
ちょっとしたモヤモヤを抱えながら“いくら興味ないとはいえ友達の勇姿は見たいのに”と呟いておいた。
「……友達、ね」
ふぅん、と独特な間が空いて。
何事もなかったかのようにそのまま口を閉ざした。
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“似たような研究をしてるので、同じ学部の子とよく話してますね”
“一緒に居ることが多いです”
“この番組で話してるってこと、知らないと思いますけど(笑)”
……鶴崎くんにやんわりと止められたテレビ番組を視聴していると、私らしきエピソードが出て来て夕飯を喉に詰まらせかけた。
“鶴ちゃんまたかよ！”“その子とのエピソードしかないの？”なんて揶揄われているところを見ると、何度も話題に上がっているらしい。
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作者名：遊馬
| 作成日時：2020年6月13日 21時
