【d！】弱肉強食の世界で最弱の私

魔法士育成法 ページ6

　
　魔法が使える者は高校卒業するまで魔法の授業を受けさせられる為、無償で勉強できるうえ、手厚く扱われる

　”魔法士育成法”という法律がそうさせている

　そして中学を卒業すると、ある一つの学園に天界やら魔界などから世界中の魔法使いの卵達が集められる


その学園の名は、


———学園都市〈NOA(ノア)〉


　一つの島が丸ごと学園になっている

　NOAの学生は生徒手帳さえあればその都市の施設を自由に使うことができる様になっており、あらゆる分野の教養を自由に受けれる

　より深い魔法の授業が受けられるのは私にとっても嬉しい

　食事は無償で提供され、学生寮には様々なサービスがついており、そこら辺のホテルよりも立派な作りをしている。なんと一人部屋


　それだけ聞くとまるで夢のような場所かもしれないが、私はそうは思わない。魔法を使える者は強制的(・・・)にその学園に入学させられるのだ。種族関係なくである

　つまり、色々とめんどくさい奴らが世界中から集まってきて、一つの島で一緒に暮らすことになる。金持ち育ちの常識ぶっ飛んだボンボン共と一緒になるのだ。私からしてみれば監獄島でしか無い。地獄そのものだ

『はぁ……行きたくねぇ〜』

　送られてきたパンフレットと勝手に作られてた学生証を見てため息をつく

　いつも通り学校が終わり帰ってきたら孤児院の院長が神妙な顔して一つの綺麗に包装された手紙を私に渡してきた。心当たりがなく裏面を見ればA様とだけ書かれていた

　自分の部屋(四人部屋)で開けてみれば、学園都市NOAからの招待状とパンフレット、あとは丁寧に箱に入れられた学生証


『最悪だ。』

　正直初めの頃は、こんな世界で生きていけるかと思っていたが慣れれば案外楽しかった

　一人で山に行っては、魔法の練習や”ある魔法”の開発をしていた。それに生き延びる術が増えるのも素直に嬉しい誤算だ。そもそもこの地域は肉食が少なくて暮らしやすく平和で、モンスターも他のとこと比べると少ない。まさに天国の様な場所

　それなのに”魔法士育成法”とかいうふざけた法律のせいで、私の生活が一気に地獄になること間違いなし。私の気分がどんどん下がっていくのを感じる

『マジでふざけんな。行きたくねぇわこんなとこ。』


　そんな私の気持ちも露知らず、時間は刻々と過ぎていく










そして私は中学校を卒業した

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