パピヨン～青い蝶～ (ページ40)

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別れの言葉は・・② ページ40

電話を切ってしばらく呆然としていた。

突然の別れに、心が崩壊しそうだった。

悲しみに耐え切れず、ソファに顔を伏せた。

結局俺は、大野に気持ちを伝えることが出来なかったんだ。

やりきれない気持ちに、胸が押しつぶされそうだ…。

諦めたらそこで試合終了・・

相葉の言ったセリフが、バンッと胸を打った。

…そうだよ。

今、ここで諦めるわけにはいかないんだよ。

試合終了させてたまるかよ！！

ドン底から這い上がるように、急いで空港へ行く支度をし始めた。

簡単な服に着替え、最低限の荷物を持った時。

アパートの外から、プッ、プッ、と高めの音が連続で鳴った。

朝から近所迷惑だなと、玄関のドアを開けて見てみたら、バイクに乗った相葉がクラクションを鳴らしていた。

ニ「相葉っ！？」

相「ニノ、早くっ！」

ニ「早くって」

相「後ろ乗って！！」

相葉の気迫に押されて、戸惑いつつ財布と携帯を持って階段を降りると、ヘルメットを渡された。

相「どこの空港！？」

ニ「えっと…成田」

相「オッケ、千葉なら任せろ！早く乗って！」

急いでヘルメットをかぶって、同じくヘルメットをかぶっている相葉の後ろに乗った。

相「行くよ？しっかり掴まってて！」

相葉の細い腰に腕を巻きつけると、ブルンッというエンジン音と共に、凄いスピードで発進した。

風を切るように走るバイク。

正直、スピード違反ギリギリのラインだと思う。

だけど、今は相葉のスピードに可能性をかけるしかないんだ。

相葉の背中にしがみつきながら、変わっていく景色を目で追った。

待ってろよ、大野。

このまま逃してたまるかっつーんだよ。

「さようなら」も言わせないまま消えるなんて、許さねぇからな。

最後の最後まで追いかけてやる！

そう心に誓いながら、風に乗ってバイクで突き進んでいった。

やがて空港に着き、俺達は走ってターミナルへ向かった。

大野が乗るのは、ニューヨーク行き。

どの機種に、何時に乗るのか分からない。

だけど、必ずどこかに大野がいると信じて、ターミナル中を探し回った。

いくら探しても見つからなくて、もう行ってしまったのかと諦めかけたその時。

ターミナルの端にあるイスに、猫背で金髪の男が座っているのが目に入った。