続き ページ4
「もう……アタシたち付き合ってるんだよ！？」
咲希は仕方なく志歩から離れる。
「…そうだけど……っ恥ずかしいから…！」
そう言うと咲希から目を逸らす。
「本当に…お姉ちゃんじゃないんだから……」
志歩は小さく呟く。
「…………お姉さんとは、よくぎゅーとかするの？」
咲希は真面目な顔になるとそう言った。
「あっちがくっついてくるんだけどね…」
「ふ〜ん…………じゃあ、これは？」
咲希は目を細めると、試すように言う。
そして、そっぽを向いている志歩の顔をこちらに寄せ、志歩の唇にキスをした。
「〜〜〜〜っ…！？」
志歩は突然のことに目を見開き、固まってしまった。
唇を離すと、咲希はいたずらに笑う。
「………無い…」
そう小さく言うと志歩は立ち上がり、廊下に出て教室の前に隠れてしまった。
「…っごめんねしほちゃん！イヤだったかな…？」
志歩の反応に焦り、咲希はすぐに謝る。
「そ、そういうわけじゃ…！……ない…」
志歩は急いでそう返した。
「…ならよかった〜！てことは、しほちゃんの初めてをアタシが貰っちゃった、ってこと！？………なんだか、嬉しいな！」
そう、教室から元気な声が聞こえると思うと、そのあとから咲希の喋る声は聞こえなくなってしまった。
志歩は疑問に思い、教室の中を覗いてみる。
するとそこには、志歩と同じくらい顔を真っ赤にして床に座っている咲希がいた。
咲希は視線に気付き、志歩を見る。
「……てへっ！アタシもさっきので照れてるの、しほちゃんにバレちゃった…！」
そう言って恥ずかしそうに頭をさする。
「………実はアタシ、好きな人とこういうことするの…夢だったんだよねっ！」
咲希は志歩の瞳をまっすぐ見つめると、赤い顔のまま、くしゃっと笑った。
その表情に、志歩も思わず照れ直す。
「ありがと！しほちゃんっ！」
「っうん…」
志歩はこれ以上目を合わせていられずに、咲希から視線をずらす。
「………こんなんじゃ練習もしてられないし、今日はもう帰る。」
「うん、いいよ！…そうだ！時間もあるし、一緒に美味しいスイーツのお店行かない！？」
立ち上がると、いつもより浮かれた声でそう提案する咲希。
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作成日時：2021年9月13日 1時
