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14,真っ暗な世界で。 ページ17

ピット・アスエル side
____________


僕には仲の良い人がいます。


その人は、とってもカッコ良くて優しい人


でも


僕達の間には壁がある。


僕は天に住む者。

彼は魔に住む者。


僕達の住んでいる世界は、真反対だった。


魔の者と関わりを持つべからず、

天の者と接触してはならぬ。



それは暗黙の了解。


天の者では無かったら
こんな苦しめられることも無かったのかな…なんて

「ふと、君の顔を思い浮かべてしまうんだ」


君の表情はあまり変わらない。

変わらない君の顔をじっと見つめ
少し変化する君の表情を見るのが幸せだった


干渉しすぎない、これは君が決めた僕らのルール


いつか、起こり得るかもしれない天と魔との戦い
そんな時に君と戦う事になっても
躊躇せずに君を倒す為。

躊躇せずに僕を倒す為。


そんな先のことまで考える君は流石だな。


でもなんだか悲しいな。



そんな事を君の前で言えるはずもなかった。
君の顔を見上げるだけでも

それだけでも幸せな事だから。

だからこの気持ちは僕の中だけで留めておかなきゃ。


なんて昔の事を思い出しながら
一人 森の大樹の下に蹲る


光があまり入らないこの辺りは
薄暗くって気味が悪い。

怖さを紛らわせるように
ギュッと強く足を抱き寄せる。

泣きそうになる気持ちを
唇を噛んでやり過ごす。


自分の気持ちに嘘を吐くように
大丈夫、大丈夫 と何度もつぶやく。

だけれど怖いのに変わりはなかった。


「もし、君が現れてくれたなら

僕のこの気持ちを

優しく包み込んでくれるかな」


嗚呼、君の事を思い浮かべるだけで
抑えていた涙が溢れてしまいそうになる。

もしこんな事に巻き込まれてなかったら
いつものように天の仕事をこなして
いつものようにただ同じ日々を繰り返していただけなのかな。


その方が僕にとってはよっぽど楽だ。


君に会う事が出来ないかもしれない
という不安だけが僕を包んでいく。



「また君を失ってしまうだなんて

そんなの僕が辛いだけだよ…

ズルいよ…そんな…

____僕を置いてかないでよ 」


こんな事を呟くぐらいしか僕には出来ない

この翼で飛べたなら君を探せたのかな。


君を探して、君の元へ飛び込んでいけたのかな


「ねえ…。ゼロ…。

君はまた、僕を置いていっちゃうの?」



その瞬間僕は
僕を呼ぶ優しくて懐かしい声を聞いた。



_真っ暗な世界で__。


僕は

明るい光を見た


to be continued

15,答えれたのだろうか。→←13,お話はお話の後で。



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あめだま(プロフ) - 見返してみれば矛盾だらけでした。修正したりしてますので矛盾してたら指摘下さい!( (2018年2月3日 9時) (レス) id: e80c6ffed5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーりん | 作成日時:2017年11月20日 22時

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