検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:97,860 hit

さん ページ3

*


さっきの理鶯の顔を思い出してはバクバクと音を立てる心臓。


ずるずると腰を下ろして座り込む。

と、
ちょうどその時、携帯が震えた。電話の主は左馬刻。めんどくさくなりながらも、気を紛らわす意味も込めて通話ボタンを押した。


「…もしもし、」

『テメェぶっ飛ばすぞ!クソ女!!』

「朝からうるさ……」

『俺様からの電話無視してんじゃねえ』


電話越しの左馬刻はやっぱりうるさくて、電話を取ったことを早々に後悔しそうになった。というか、後悔している。


「で、なに」

『ヨコハマで暴れてる輩がいるつーからそいつらシメんぞ。テメェも出てこい』

「めんどくさい。勝手にやりなよ」

『うるせえ。いいから来い』



一方的に切れる電話。
すぐに「ここに来い」と指定された場所の位置が送られてきた。


…仕方ない、行くか。


支度をするために立ち上がって部屋の扉を開ける。するとそこには理鶯が立っていた。


「わ。びっくりした」

「…A、どこかへ行くのか」

「左馬刻のとこ」


じ、とわたしを見る理鶯。

あ やばい。さっきのこと思い出すと…。顔赤くなってきたかも。


「…先程はすまなかった」

「え、」

「突然触れそうになって。言い訳に聞こえるが、小官も無意識に手が伸びて、貴殿に触れたいと思っていた。」

「ちょ、!」

「頬を染める貴殿が可愛らしくて…、」

「す、ストップ!!!」


誰に聞かれるってわけではないけど急いで両手で理鶯の口を覆い、これ以上はだめと言うような視線を送った。
理鶯は素直に私に従う。


………平気な顔して、なんてこと言ってんの、コイツ。


困惑しつつも、ゆっくり手を離す。


「許してくれるだろうか」

「…うん、」

「そうかよかった。…A、」

「なに?」

「出掛けるときは気を付けるんだぞ」

「……理鶯もでしょ」


優しい顔で笑う理鶯。

この笑みは、とても安心する。

HappyBirthday→←ふた



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (356 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
600人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

LOKO - ずっと探してました!素晴らしい作品をありがとうございます (2021年6月12日 13時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく面白かったです。甘々で、凄く好きな作品でした!もう更新はしないのでしょうか?とても好きになってしまった作品なので少し悲しいです。待ってます。 (2019年9月3日 7時) (レス) id: 1bc282c048 (このIDを非表示/違反報告)
涙香 - まずありがとうございます!!←理鶯は天然だけど何処か色気があって雄みがあるんですよね…!!それが匠の様に表現されていて本当に悶えました←本当にこの作品大好きです…! (2018年11月26日 1時) (レス) id: b0edcd9996 (このIDを非表示/違反報告)
タピオカ(プロフ) - 理鶯って天然って云うか鈍感なところあって、いいですよね!更新頑張ってください (2018年7月17日 2時) (レス) id: df53b8b7ae (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 最高です……( ゚∀゚)・;’.、グハッ!! (2018年6月27日 9時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いさ | 作成日時:2018年6月14日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。