ぴゅあ恋 (ページ38)

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大輝 side

大輝「Aちゃん！」

「あ、大輝くん」

大輝「練習終わったの？」

「わたし応援枠だから(笑)」

そっか。Aちゃん運動できないのか。

可愛い。

ていうかAちゃんならなんでも可愛い。

「大輝くんは何出るの？」

大輝「俺高跳び」

「あ～～、そんな感じする！」

大輝「そう？(笑)」

「うん、なんか飛べそう」

大輝くん軽そうだし！ってケタケタ笑うAちゃんの笑顔に俺まで口角が上がる。

俺ってこんなに単純だったんだ。

そのとき、Aちゃんの隣にいたクラスメイトが口を開いた。

［ね、髙橋は何出るの？］

「リレーだってさ」

［あー、野球部だもんね］

「……なにニヤニヤしてんの」

［別に～～？楽しみだねえ？］

「もう！やめてよ！」

揶揄いを含んだ明らかな後押しと、なんだかんだ100%の嫌がり方じゃないAちゃん。

目の前がガラガラと崩れ落ちていく。

ああ、負けレースか。

そんな考えが夏休みを明けてから明らかに増えた。

夏祭りのときはいい感じだと思ってたんだけどな。途中までは。

結局、君のヒーローはアイツなのかもしれないけど。

もう少しだけでいいから、俺にも夢を見させてよ。

柄でもないことを神様に願いながらAちゃんの笑顔を見つめた。

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