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『そういえば体育祭、何出んの？』
「…それ聞く？」
とことんはしゃいだ後の帰り道。
碧は彼氏くんと2人で帰って、俺はAと。
はしゃぎすぎたからなのか2人だからなのか、空気は少し落ち着いていて。
ちょっとでも空気を変えようと振った話題は、Aが苦手な体育祭だった。
「今年もテキトーに借り物かな」
『あれれ、テントに避難じゃなくて？』
「仕方ないじゃん、保健委員なれなかったんだから」
保健委員は日陰になる養護テントで休みながら怪我人病人の処置が出来る…まぁ、運動音痴への救済処置。
去年は委員会決めでいの一番に手を挙げてその特権をゲットしていたAだが、今年は同じく運動嫌いなクラスメイトにじゃんけんで負けてしまったのだ。
「優斗は？今年もリレー？」
『んー、まぁなれればな』
「なれるでしょ現役野球部なら」
『うちのクラス運動部何人いると思ってんだ？あ？』
「先生、体育祭に勝つ為にクラス作ったって言ってたもんね〜」
どの学校にも行事に生徒以上の熱を見せる教師はいるもの。
うちの担任がそれだ。
各運動部のエースやら部長、器用な奴、芸術科目が5な奴、各部門のトップクラスを掻き集めたらしい。
『果たしてAちゃんは何枠なんでしょうかねえ』
「やめて、私が1番思ってる」
『応援枠ってことにしとけ』
「…馬鹿にしたでしょ」
『あー拗ねちゃったのAちゃん♡』
「もういい、優斗のことは応援しないから」
『待て待て待て謝るから！！』
「ハーゲン奢ってくれたら許す」
…ったく、コイツといると財布がどんどん軽くなるわ。
ま、それも楽しくていいんだけどさ。
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作者名：まれぴゅま
x他3人 | 作成日時：2020年6月28日 1時
