ぴゅあ恋 (ページ30)

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『おら』

「わ、」

膝を抱え込んで砂を眺めていると、突然首元に冷たい感触。

びっくりして顔を上げると、優斗がニヤニヤしながらラムネを持っていた。

『喉渇いたっしょ』

「普通に渡してよ」

『丸まってたのどこの誰ですかー』

ほら、と2本持っていた内の1本を私に渡して隣に座る。

海をぼーっと眺めながらラムネを開けて1口流し込むと、シュワシュワとした炭酸が喉を潤した。

「んま」

『夏といえばコレだろ』

「いくらした？」

『すぐ財布出す癖やめろ？いらないから』

「…ごめん」

『そういう時はありがとうでいいの！』

私が出しかけていた財布を無理矢理しまわせて頭を撫でる。

そういう所にドキッとしたりして。

『はい笑顔で？“優斗くんありがとう大好き♡”』

「…台無し」

『何でだよ！』

「はいはいありがとありがと」

『可愛くねぇなぁ』

せっかく感心してたのに、ニヤニヤ顔でお願いをしてくるから全部台無し。

ふん、とそっぽを向いてラムネを飲み干したら、ビーチバレーをしている碧達が目に入る。

「ね、バレーしようよ」

『いいけどボッコボコになるよ？』

「こっちのセリフだわ」

『は？野球部ナメんなよ？』

「野球関係ないじゃん」

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