ぴゅあ恋 (ページ29)

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『はぁ、まっじで危ねぇ、』

「っ、優斗……？」

耳元で優斗の声が鮮明に聞こえて、ぎゅっと瞑っていた目を開けるとすぐ近くに優斗の顔があって思わず変な声が出そうになった。

どうやら溺れかけたわたしをそばにいた優斗が助けてくれたみたい。

で、今どういう状況かというと……

優斗の片手が膝の裏にまわっていて、もう片方は背中を抱いていて……

これってお姫様抱っこじゃん……！！！

「ちょ、優斗おろして、！」

『おろしたらまた溺れるじゃん！』

確かにその通り……

何も言い返せなくて黙り込んでいると、そのまま海を出て荷物を置いたパラソルの下にわたしをおろしてくれた。

ほんとわたしって迷惑かけてばっかだな……

『大丈夫？しんどくない？』

「うん……ありがとう、」

『ん、あとで碧にはちゃんと注意しとくから』

そう言って優しく背中を撫でてくる優斗はバカみたいにかっこいい。

きっと無意識なんだろうけど、その行動一つ一つがわたしの恋心を混乱させてくんだよ……

そんなことを思いながらぼーっと目の前に広がる海を眺めているといきなり何を思ったのか、優斗が持ってきていた自分のパーカーをわたしの肩にかけてきた。

「ん……？」

『ほら……あの、あんまさ、見られたくねぇっていうか、見せたくねぇっていうかさ、』

「何を？」

『…………Aの水着姿、かわいすぎて他のやつに見せたくねぇの、』

「っ、」

なにそれ……

そんなの急に言わないでよ……！！！

心の準備できてないしもうドキドキメーターぶっ壊れて爆発しちゃいそうだよ！！！！

『なんか俺、贅沢だな、』

「へ……？」

『Aの浴衣姿も水着姿も見れちゃって…………』

「は……？」

『Aのかわいいとこいっぱい見れて嬉しい、笑』

なんて言って微笑んでわたしの濡れた横髪を耳にかけてくるから、もう完全にドキドキメーターはぶっ壊れました。故障しました。補償してください。

「、ばーか！優斗のばーか！！」

『は、え、？』

誰でもない優斗のせいでこんなおかしくなっちゃってるんだよ！

そんなどうしようもない気持ちをぶつけるように軽い暴言を吐き捨てて、丸めた膝に顔を埋めた。