ぴゅあ恋 (ページ21)

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優斗side

急いで花火が打ち上がる広場に向かって2人で空いていたスペースに腰掛けると、ちょうどよく一発目の花火が空で咲いた。

「わぁ……綺麗……」

『ほんと、めっちゃ綺麗……』

色とりどりに空が輝いて、思わず見とれてしまうほど綺麗。

こういうの、なんかすげぇロマンチック……

するとぎゅっと繋いだ手に力を込められるから、傍に目を向けるとAは少し頬を赤くしていた。

「あのね、」

『ん？』

「…………今日誘ってもらえてすごく嬉しかったの、」

『まじ、？』

「うん、」

恥ずかしそうに笑いながらそう言うA。

なにそれ……

嬉しすぎるしかわいすぎるんだけど……

『俺も、Aと一緒に来れて嬉しい、』

「っ、よかった……」

さっきはぐれた時はどうしようかと思ったけど、今こうして2人きりでいられているから結局幸せ。

でもやっぱりあのイケメン転校生がいるとヒヤッとするな……

だってA、アイツといる時女の子の顔になるんだもん。

後からやってきたやつなんかに絶対渡したくないし、負けたくもない。

だから早くAに気持ちを伝えないといけないんだけど、なかなか勇気が出なくてズルズルと引きずってしまう。

「ね、優斗」

『ん、どうし……』

また呼ばれるから隣に目をやると、今度は目をうるうるさせてただじっと俺を見つめてきた。

その姿は目を逸らしたくなるぐらいかわいくて、思わず息をのんでしまう。

そんな顔されたらどうしたらいいのかわからないし、気がついたら俺はその頬に触れていた。

『………………目、閉じて』

ほんとは死ぬほど緊張しているはずなのに、今日だけならいつもよりも積極的になれる気がした。

これが夏祭りマジックってやつ……？

そしてそっと瞼を閉じたAに顔を近づけてもう少しで触れる……というところで、Aが俺の胸に倒れ込んできた。