ぴゅあ恋 (ページ12)

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ぼーっと優斗を見つめていると、部長らしき人の掛け声が聞こえた。

練習は終わりの方に近付いているらしくて。

そんなに時間経ってたんだなあ、なんて人事みたいに思うけど、それ永遠見てられるわたし結構やばくない？

まあまあでもでも、優斗に見ててって言われたし、とか謎の言い訳。

正直、野球してるときの優斗は結構誰にも負けないくらいにはかっこいいと思う。

100人いたら95人くらいは賛同してくれるんじゃないかなあ。

他の5人は天邪鬼ってことにしとこ。

『A！！』

馬鹿みたいにデカい声で名前を呼ばれた。

さっきからそっち見てたよ、とはキャラじゃないから言えないけど。

「なにー？」

『練習終わったからもうちょい待ってて！！』

「はーい」

わたしの返事に満足したのか、ニコニコしながら部室に向かう優斗。

その周りに集まって何やら騒ぎ出す野球男児。

いいなあ、青春だなあ、と輝く彼らを見ていたら、パッとこっちを見た優斗が全力で手を振ってきた。

よくわかんないけどとりあえず控えめに振り返す。

これでわたしの後ろとかに誰かいたりしたらどうしようって怖くなったけど、そんなことはなかったみたいで一安心。

楽しそうな優斗たちを見て思わず目を細めれば、まだ日が明るいことに気付いた。

もう夏も本番なんだ。

優斗と2人の夏祭りももうそこまで来てるってこと？

準備、しないとなあ。

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