ぴゅあ恋 (ページ11)

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部活中の優斗にボールを渡して、そのまま背中を見つめる。

すると、野球部のマネージャーの子達が仲良さそうに優斗に話しかけていた。

…別に同じ部活だから当たり前じゃんね。

「Aちゃん？」

「…へ？」

「なんかボーッとしてるけど」

「そ、そう？」

「うん、眉間に皺」

トントン、と人差し指で私の眉間をつつく大輝くん。

どうやらすごい顔をしていたらしい。

「アイツ？」

「え、」

「高橋優斗だっけ、うちのクラスの」

「もうみんなの名前覚えたの…？」

「ん？覚えてないよ」

「で、でもだって、」

「要注意人物は把握してるんだよ」

「要注意…？」

「あ、ちょっと余計なこと言ったわ」

Aちゃんは知らなくていいことだよ、なんて微笑む大輝くんはやっぱり綺麗で。

訳わかんないことしか言わないけれど、それも許されてしまうのが彼のキャラクターだ。

「いつも待つの大変じゃない？」

「んー、でもまぁ野球見るの好きだし…」

「A！！」

大輝くんと話していると、後ろから聞こえた大きな声。

振り返ると、部活着の優斗がこっちに手を振っていた。

「見てて！！俺のこと！！」

キラキラした笑顔でそう言った優斗は、大きな背中を見せて走っていく。

…見てるよ、ばーか。

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