スノさんちのクーデレマネは今日も胃が痛い。

番外編/宮舘:キスの意味1/2 ページ32

※こちらは、甘噛みしないで
下さいの番外編となります。
※シリアスなお話で全く面白味は
無いのでご注意下さい。

＊＊＊＊＊



A:side


[キスの意味、調べてみて？]


あれから、ずっと宮舘さんの言葉が
頭から離れない。


『キスの意味…』


私は携帯の検索エンジンを開いた。
けれど…止めた。

調べてどうするの？
どうせ、応える事も出来ないのに。

私は彼らが好きだ。

多分、恋愛的な意味で。
じゃなきゃ、過剰なスキンシップも
束縛も許したりしない。

でも誰か一人を選ぶ勇気が無いし
それに…


[誰も選ばないで]


彼らの気持ちに気付いてしまった時
私は明らかに彼らを避けた。
異動願いすら出した。

…まぁ、気付いた彼らに
破り捨てられたけどね。

気不味そうにする私に彼らは言った。

[どうか、俺達を拒まないで]
[俺達を受け入れて]
[誰かを選ばないで]
[何も望まないから]
[俺達の側にいて欲しい]

私は彼らの言葉に頷いた。

彼らを愛しいと思った。

彼らを愛してしまった。

なのに私は今、彼の事で
頭が一杯だ。

聡い彼らだから、きっと気付いて
しまうかもしれない。

彼らの悲しむ顔は見たくない。

…けれど、彼の悲しむ顔はもっと
見たくない。

『…私、こんな我儘…だったっけ？』

煮え切らない自分に嘲笑しながら
レッスン室の鍵を手に取る。
戸締まりの最終確認の為だ。

『……………ん？』

廊下を歩いていると
レッスン室から灯りが洩れてる
事に気付く。

『…宮舘…さ…ん』

皆さんが帰った後も一人で
練習してたんだろう。
余程疲れたのか、パイプ椅子に座り
眠っている。

私は彼を起こさない様に近付くと
彼の身体が冷えない様に自分の
ジャケットを掛けた。

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