119話 聖side ページ20
聖side
「あっははは!! なんだよ真冬、さっきの負け方! やる前は「孤高のハンターは、狙った獲物を流さない……」とか何とか言ってたくせに、逃すどころか全然当たってないし、聖に惨敗してんじゃねぇかw 負け方面白すぎて笑い止まんねーw」
「しゅ、シューティングなら勝てると思ったんだもん! 私のレイヴンは二丁拳銃だし、多分いけると思ったの!」
「にしてはあれは外しすぎだろ、腹いてぇわまじでw」
「うっさい!! 早く忘れろ!!」
フードコートの中心の席で座りながら腹を抑えて爆笑する岳斗君。その向かいの席で顔を赤らめながら岳斗君に向かって怒鳴り散らす真冬ちゃん。
ここにくる前、僕達は中央館の2階にあるゲームセンターで遊んでいた。
僕は背後でみんなが楽しくやっている姿を見ていたが、真冬ちゃんにシューティングゲームをやらないかと誘われ、折角の誘いを断る事なんて出来ず、僕は真冬ちゃんとシューティングゲームで勝負した。
勝負の結果、僕が真冬ちゃんに圧勝してしまい、それを見ていた岳斗君に真冬ちゃんは笑われてしまっている。
心の中で少しは手加減した方が良かったかもと後悔しており、僕はこの光景をただ苦笑いして見てるだけだった。
「真冬ちゃんも真冬ちゃんなりに全力で頑張ってたんだ。ただ今回は相手が悪かっただけ、そうだよな?聖」
「えっ、あぁ…そ、そうかな…」
隣に座っていた貴史君に唐突に話を振られ、少し戸惑いを見せながら返事をする。
「でも、本当に強かったよね。敵をあっという間に倒しちゃうんだから!」
「聖さん、どうしたらそんなに上手くなれるんですか! コツでも何でも良いので教えてくださいよぉ!!」
「え、えぇ…」
席を立ち目を輝かせて僕に迫ってくる。真冬ちゃんのその勢いに押されるように体を少し反る。
「コツって言ってもなぁ…やっぱり、経験の積み重ねじゃないかな。僕も最初は真冬ちゃんみたいにシューティングゲーム苦手だったけど、やっていくうちに上手くなってったから」
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