77話 ページ28
岳斗side
「さぁ！！ あの悪しき邪教どもを喰らうが良い！！ 」
そう言うと、魔隆達は頭に響く程の雄叫びを上げる。
「や……やばいって……こんなの完全に絶体絶命じゃん……！！ 」
「聖に手を出すなら、全員排除する……！ 」
「あんた、前までの臆病キャラとなんか変わってない？ 」
そんな会話をしてる内にも、魔隆達は俺達に押し寄せてくる。
「ど、どうするのだ岳斗！！ このままじゃソラ達ピンチなのだ！！ 」
「あぁ……そうだな……」
ピンチという言葉を聞き、俺はビビって怖がるどころか____
____冷や汗を少しかきながらも、面白いと言わんばかりに笑っていた。
「面白くなってきたじゃねぇか……！！ 」
俺は我先へと襲いかかってくる下級の魔隆に向かって飛び出して行き、突き上げるかのように魔隆を斬る。
「！ 岳斗！？ 」
下級の魔隆を斬ったのを見ると、攻撃対象として認識したのか、次々と俺に襲いかかって来るが、なんなくそれに対応していく。
「あんた馬鹿なの！？ こんな魔隆の大群と渡り合えるわけないでしょ！！ 」
「それがどうしたよ！！ ピンチなんて真っ正面からぶっ壊せばいいだけだ！！ それともなんだ、助けが来るまで指咥えて待ってろってか！？ それこそ無理って話だ！！ 」
フレイムギアを発動させ、フレアスブレイドに炎が纏い、周りの魔隆を回転斬りで燃やしていく。
「よく漫画とかにある臭いセリフになっちまうけどよ……1人じゃ乗り越えられない壁があったとしても、仲間とならその壁をぶち壊すことが出来る。だからよ、何もせずに死んでいくより、力合わせて生き抜こうぜ！！ 俺達はチームなんだからな！！ 」
滅茶苦茶な事を言われ、一瞬静まり返るが、俺の言葉で鼓舞されたのか、二つの人影が俺の横を通り過ぎ、目の前にいた魔隆を斬り捨てた。
「お前如きに言われなくてもわかっている。援護が来るまで10分、それまで持ち堪えるぞ」
「貴方の言う通り、今は力を合わせましょう」
銃撃音が鳴ると後方にいた魔隆は凍りつき、その凍り付いた魔隆を白い矢が撃ち抜く。
「お兄ちゃんの癖にカッコつけちゃって、そのぐらい当たり前だよ！ 」
「この私が諦めるなんてする訳ないでしょ？ さっさと片付けるわよ！！ 」
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