2-1:いじめっ子 ページ9
翌朝。
ジニーと同室だった真緒は連れ立って朝食へ行き、生まれて初めて吠えメールを生で見ることとなった。
そして、マグゴナガル先生に時間割を配られた真緒達は、地下へ向かう為に立ち上がった。
「初授業は何だい？」
ハリーが二人に聞いてきたが、ジニーは真っ赤になって真緒の後ろに隠れる。
真緒は代わりに答えた。
「午前中は魔法薬学よ」
「そりゃ、ご愁傷様だね」
昨日の車登校でこってりと絞られた、明らかに自分達よりもご愁傷様に見えるロンに言われて、真緒は首を傾げながらジニーやコリンと地下の教室へと向かった。
ひんやりとした教室で授業は始まり、ロンの言った意味はすぐに分かった。
スネイプは、明らかにグリフィンドール生を嫌っているらしかった。
それは、所々にある特定の生徒を指すような言葉が出てきていたことからもはっきりと分かった。
「スネイプはハリーを目の敵にしてるの」
ジニーが小声でそう言った時だった。
演説にも熱の入っていたように見えた先生から「ウィーズリー！」と鋭い声が飛んだ。
「グリフィンドールに入りさぞ鼻が高かろう…何せあの有名なポッターと同じ寮だーーーベゾアール石を探せと言われたら何処を探すかね」
突然の質問にジニーが顔をしかめた。
「これは我輩が去年ポッターに問うた内容だ。やつは答えられなかったがーー当然ポッターのことをよく知る君は答えもご存知なのでしょうな？」
あんまりだ、と真緒は片眉を上げた。
真緒は�犹獲咾琉澆�ら取り出す石。大抵の薬に対する解毒剤�瓩帆�り書きしたメモを机の下からそっとジニーの膝に置いた。
(日本で真面目に勉強していてよかった…)
「君は何人も兄を持っていながら、その授業内容をわずかでも聞こうとは思わなかったのか？教科書を開こうとは思わなかったわけだな？ーーー…ああ、ポッターの真似事がしたいのか。では望み通り、不勉強と無礼な態度で減点ーーー」
「山羊です」
スネイプの言葉をジニーが遮った。
そして、もう一度はっきりと答えた。
「ベゾアール石は、山羊の胃から取り出す石です。大抵の薬に対する解毒剤となります」
スネイプは舌打ちをして、おできを治す薬についての授業に入った。
そして調合を始めた生徒達の間を巡回しながら、グリフィンドール生に対しては必要以上に細かい注意を入れた。
真緒も例外なく、提出した完成品は一蹴された。
「繊細さがーーー、足りんな」
( な に よ ！ )
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作者名：M.S | 作成日時：2019年10月13日 11時
