TraumⅢ【短編集】 (ページ3)

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自分の力で叶えて見せるんだ！/ガノンドロフページ3

クラスメイトが言うように、特別イケメンなわけでも特別かわいいわけでもない。

でも、わたしは、恋をしてしまった。
怖いけれど優しくて強いあの人に。

「わたし、頑張ったんです。いっぱい勉強して、体も鍛えて、また貴方が来た時、会えるように」

目の前の彼はすごく間抜けな顔をしている。
まぁ、そりゃあそうだろう。昔『気まぐれ』で遊んでやっていた子供が、こーんなに立派になっていて、しかも自分のことを好きだと言うんだから。

「別に私のことを愛して欲しいわけじゃないんです。でも、嫌いじゃないなら⋯⋯そばに居させてくれませんか？」

彼は私の言葉にため息をついたあと「嫌だと言ってもお前は"ここ"に居るんだろう」と言う。ええ、そうなの。そうなんですよ。

「べつに好きにしろ」
「はい！好きにしますね！」

──一般的に、初恋は叶わないと言われている。

それは幼い子供が恋をする(憧れる)存在が、自身にとって遠く離れた存在であることが多いから。私はそう思っている⋯⋯というか、実際そうだったし。

けれどね、でもね、だからといって諦められるような人間じゃない。
欲しいと思ったものは全てを投げ打ってでも手に入れたいと思う。

だから、私は

「初恋は叶わない、なんて言葉否定してやる」