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付き合って初めての日曜日。デートすることになった。
待ち合わせの駅前で着いたよと連絡するものの一向に既読がつかない。
約束の11時はもう過ぎている。
気になって改札口を振り返ると
流星がいた。
「よっ」
無視するわけにもいかず、流星のほうへ歩みよる。
「ん。デート?」
「まあ、そんなとこ。そっちこそ、しげ待ち?」
「おん。せやけど時間過ぎても全然来やん」
「へー珍しいな、しげが遅刻って」
「そやんな。なんかあったんかな」
「あれ、ひかるには会ってへん?」
「この辺で?いや…見てへん。」
「あれ…もうおるって言うてたのに」
なんだか偶然にしてはできすぎている気がして
もう一度スマートフォンを見るとしげからのメッセージ。
"だますようなマネしてごめん。
お互いのこと、ちゃんと話してきて。"
しげの優しさとそんな風に気を使わせた自分への反省で
思わずため息がこぼれた。
「流星…」
「あーやられたな」
流星にも彼女から連絡がきたようやった。
「せっかくやし、どっか行く」
流星が遠慮がちに言う。
「…ん」
今日こそ、きちんと話そうと決めて歩き出した。
不思議な気分やった。
しげと見るはずやった映画を流星と見て
向かいに座ってランチして
ずっと何てことない思い出話だけをした。
話すべきことは分かっているのに口にはしない。
これが最後やって分かってるから。
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らび(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。とっても励みになりました!頑張ります! (2018年6月3日 20時) (レス) id: 69089f919b (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - お話楽しみにしてます!更新嬉しいです。頑張ってください! (2018年6月3日 17時) (レス) id: 211b81a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らび | 作成日時:2018年5月3日 0時