Prisonerworld【小説】 (ページ10)

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私のやり方【攻】【長門奏】ページ10

「…どう言うつもり、ですか。」
「え？」

ようやく口を開いたかと思えば、いきなりそんな事を言うものだから、思わず私も素っ頓狂な声を出す。
どう言うつもり…って、そっか、拷問してないからか、と理解した私は、いえいえ！ちゃんとしますよ！と声をあげる。こんな微笑みながらちゃんと拷問する、だなんて宣言するのは少し可笑しいかもしれないとは分かっているが、これが私の方法だから仕方ない。

よいしょ、と言いながら縛られた副隊長様のすぐそばに寄ると、私の能力によって、副隊長様からしゅるしゅると何本もの糸が出てくる。

「い、と…？」
「はい、糸ですよ！」

にこりと楽しそうに見えるように笑うと、腰元に差していた木製のハサミを左手に握った。
その瞬間、副隊長様のあっていなかった焦点がピタリとこちらを見つめた…かと思いきや、血相を変えて暴れだした。
これから何をされるか、分かってしまったのだろう。縛られている彼女はやめて！と叫んで暴れる。しかしその抵抗もむなしく、縛られて無力な副隊長様は私にすぐに抑え込まれた。

「やめて、切らないで！お願いだから！！」
「私の事、能力までバレちゃってるんですね…まぁ、それもそうですよね！」

だって私、いつも颯様に会うために前線に出るんですから！そりゃバレちゃいますよね！
だなんて呑気な事を思いながら、彼女を置いてあった椅子にキツく縛り付けて動かないように固定してから、彼女から生えている糸を吟味するかの様に一つ一つ眺めて、触ってみる。

「見えます？コレ、副隊長様のお友達さんとかの友好関係を結ぶ糸なんです！
それでこれが、副隊長様とその彼氏さんの友好関係を結ぶ糸！」
「やめて…お願いだから…！」

私にすがりつく様に懇願する副隊長様を見るのは、実に愉快だった。
そんな愉悦を隠す様に、口を開く。

「今から10秒数えて、その10秒以内に貴方の名前を言わなかったら、この糸全部切っちゃいますね♡」

さっと彼女が顔を青くする。私が持ち上げた赤の糸も混じった何本もある糸と、構えられたハサミを見て、絶望した表情を見せる。
かちかちと副隊長様が歯を鳴らして、うそ、やめて、とうわ言の様につぶやいた。
優しく、暖かく、慈悲に満ちた微笑みを彼女に向けると、心の底から湧き上がる楽しさに似た何かを押しつぶす様に、再度口を開いた。

「嘘でも無いし、やめません。
嫌だったら、ちゃんとお名前言ってくださいね？」