Prisonerworld【小説】

罰則の理由 【防】【荒川瑠架】 ページ43

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いつも独りで書類作業に追われ、机に張り付きっぱなしの蝶ちゃん。
このままじゃ過労死しちまうんじゃないかってことで、罰という形で見張りの仕事をさせ、デスクワークから無理矢理離れさせたんだそう。
見張りは夜間もしなくちゃいけないのが大変だが立ってるだけだし、それに交代制だしな。
“夜じゅう一人で見張る”なんてことしない限り、デスクワークよりも楽だと思う。

判断は正しいとが、そのしわ寄せがアタシにくるのか……と少し陰鬱な気分になる。


「はぁ、蝶ちゃん並みに働くなんてアタシにできるかねぇ」
「大丈夫…もとから期待はされてない……」


辛辣な言葉にがくりと肩を落とすと、ガオッチが珍しくアドバイスをくれる。


「無理しても…出来てなきゃ意味がない……。資料室の整理とか、書類の仕分けとか、できることをすればいいと思う……。それだけでも、結構助かる…ハズ……」


まぁ、下手に触って失敗したら元も子もないからな。
そのアドバイス、有難く受けておこう。


「さんきゅーな。じゃ、アタシはさっそく資料室にでも行ってくるよ」


お礼を言ってから、アタシは貰ったスナック菓子の袋をもって資料室へと向かった。





その後、膨大な量の書類を整理するのに一か月以上費やすことを、アタシはまだ知らない。


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