眠りから覚めて 【防】【荒川瑠架】 ページ42
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シェルターに入ったアタシはガオッチに会って、その場で眠りに落ちてしまったらしい。
ぶっきらぼうなその声に、不覚にも安心しちゃったんだな。
目が覚めたのは自分の部屋のベッドの上だった。
「今…何時だ……?」
喉がカラカラで少し声が出しにくい。
空腹感と辺りの静けさからして、随分長く眠っていたらしい。
枕元のデジタル時計を見ると【23:07】という数字。
シェルターに戻ってきたのが朝の7時くらいだったっけ。
ざっと16時間か……。
この時間じゃ食堂はやってねぇだろうけど、水くらいは貰えるよな。
アタシはぐぅっと背伸びをしてから立ち上がり、食堂へと向かった。
ガラスのコップを手にとって一気に水をあおる。
冷たさが喉を滑り落ちていく感覚が気持ちいい。
「っぷは、生き返ったー」
喉の渇きが収まると、今度は空腹が気になってくる。
しかし、食堂の裏側なんてほとんど入ったことないからな……。
何処に食べ物があるのか分からない。
しかたなく部屋へ戻ろうと振り返ると、食堂の入口に人影があった。
目深にかぶったフードに、特徴的な白い髪。
「ここに…いたのか…」
「おう、ガオッチも水飲みに来たのか?」
その問いには答えず、ガオッチはこっちに近づいてアタシにあるものを放った。
パッと受け取ると、それはスナック菓子の袋だった。
コーヒーにもよく合うから好きなんだよな、これ。
「え、くれるのか? うっわー、ガオッチ太っ腹!」
嬉々とするアタシを五月蝿いと一蹴して、ガオッチはため息を吐いた。
「それは、差し入れだ…。もぐらちゃんへの罰則…書類地獄に決まったから……」
書類地獄?! と驚くとガオッチは耳を塞ぎ、面倒くさそうに事の詳細を語った。
なんでも、アタシが寝てる最中に開かれた会議で、アタシと蝶ちゃん、それにミナトへの罰則が決められたそうだ。みんな無事だったんだから罰則なんていらねぇんじゃないかとも思うが、そう単純なことでもないんだろう。
会議の結果、蝶ちゃんは見張り、ミナトは罰掃除、そしてアタシには書類作業が課されたらしい。
アタシに書類作業なんて適材適所って言葉を知らないのかとも思ったが、それは実は“蝶ちゃんを休ませるため”に決まったことらしい。
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罰則の理由 【防】【荒川瑠架】→←頼れよ 【守】 【龍神 湊】
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白 - 更新しました! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お久しぶりです。更新しまーす! (2020年3月1日 17時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新しましたーー!!! (2020年2月23日 11時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新します〜〜 (2020年2月23日 10時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新しました! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6888f46f20 (このIDを非表示/違反報告)
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