早朝 【守】【荒川瑠架】 ページ19
.
午前5時。
蝶ちゃんに叩き起こされたアタシは、まだ日の昇らない草原を真っ直ぐに駆けていた。
寝不足のまま走らされるなんていつもだったら不満たらたらだろうけど、今回ばかりはそうも言っていられない。
だって、ミナトを連れ帰れなかったのはアタシの責任なんだから___
あの時、ハサミ女がミナトの糸を切ろうとした時。
能力を使いさえすれば、ハサミ女を動けないようにするなり糸を切れないようにするなり、ミナトを助ける方法はたくさんあったんだ。
でも、アタシはそれをしなかった。
理由は一つ__自信が持てなかったから。
能力を制御する自信が持てなかった。
ハサミ女に打ち勝つ自信が持てなかった。
ミナトや蝶ちゃんを巻き込まない自信が持てなかった。
アタシ自身に、自信が持てなかった。
でも、それじゃ駄目なんだ。
自信が持てなくたって、それが仲間を助けない理由になんか成り得ない。
自信が無くても胸を張れ。
ハッタリかまして強気に踏み込め。
へらへら笑いながら軽くこなして見せようじゃないか。
それが、カッコいいってもんだろ___
「……瑠架さん?」
蝶ちゃんが不思議そうに声を掛けてくる。
おっと、思わず笑っちまった。不謹慎だよなぁ、まったく。
「悪い悪い。いやなに、早く帰って二度寝としゃれ込みたいなって思ってただけだよ」
「貴方は本当にお気楽ですね」
そう言いつつも、蝶ちゃんは口元に笑みを浮かべている。
「そのためにも、さっさとミナトを助け出しちゃおうぜ。
___と。あれか、シェルターは」
走り始めて数十分。
ようやくレボディショナルのシェルターについた。
乱れた息を整えつつ周囲を確認すると、その周辺には誰も居ないようだった。
.
シェルターの前で 【守】【荒川瑠架】→←予定調和【攻】【長門 奏】
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白 - 更新しました! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お久しぶりです。更新しまーす! (2020年3月1日 17時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新しましたーー!!! (2020年2月23日 11時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新します〜〜 (2020年2月23日 10時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新しました! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6888f46f20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ