対等でいるため【攻】【長門 奏】 ページ14
目の前のおかっぱの男の子は、誰…?と小さく呟くと、焦ったかの様に、頭をがしがしと き毟る。
「ちがう、だめ、わすれちゃだめなのに、ちがう…!!」
「あれ、まだちょっと残ってるのか、思ったよりしぶとい…きっとそれだけ大事だったんですね!」
私、その糸切っちゃった!なんて哀れで可哀想なんでしょうね!と言ってみると、敵の…えーと、確か…モグラさん!モグラさんはミナトに何した!と激怒しながら叫ぶ。わぁ、怖い怖い。
「なにって…強いて言うなら、そこの副隊長様と湊さんを繋ぐ糸を切っちゃいました♡
…あ、そうだ、貴方がたはもう逃げていいですよ?聞きたい事は大方聞けましたし…。」
「ふざけてんじゃ…!!」
「ふざけて無いですよ〜!もう、怖いなぁ…。
…あ、でも、その前に」
副隊長様を背負い警戒し続けるモグラさんの目の前に瞬時に移動すると、能力を使われる前に、急いで先程切った彼女の糸を結び直す。
慈悲でと同情でも無い。あくまで興味を持った。それだけだ。それに右手が動かなかったら流石に対等じゃ無いと思ったから、これは私が戦う時平等でいるための処置だ。
だから、また彼女が捕虜として連れて来られたら、その時はまた糸を切る。
「それじゃ、お二人は逃げていいですよ!私、この子に聞きたいことがあるので!
…あ、ちゃんと返すので安心して下さい!いつになるかは分かりませんけど!」
「え、奏ちゃん、良いの?返しちゃって…」
「大丈夫ですよ多分!まぁ、また聞きたい事があったらもう一回捕虜にしちゃったら良いですし。」
ギリギリと歯を鳴らして怒りを込めた瞳で此方を睨むモグラさんを無視して会話を進める。流石にそんなに見つめられると照れちゃいます、だなんてふざけてみたけどやっぱり逆効果で、彼女は能力を使おうとして、やめた。やはりこの状況で攻撃したら副隊長様と湊さんがどうなるかの察しがついたらしい。
「…分かった、お前達の口車に乗ってやる。
…けど、湊は絶対に返せ。明日までに、絶対に。」
「はい、明日までにご返却出来るよう頑張りますね!それでは!」
絢には帰る彼女達の見張りについてもらい、未だ放心状態の湊さんに視線を向ける。
そろそろ精神的に不安定になって来た様で、地べたにぺたりと座り込んでいた。そろそろ切った糸を結んであげよう。
…まぁ、彼が颯様の事を話さない限り、糸は切ったり結んだりを繰り返すけれど。
考えるだけで頬が紅潮する。そんな興奮を抑えて、私は切れた糸を結んだ。
奪還作戦【守】【夕凪蝶葉】→←もう逃げられない 【守】 【龍神湊】
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白 - 更新しました! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お久しぶりです。更新しまーす! (2020年3月1日 17時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新しましたーー!!! (2020年2月23日 11時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新します〜〜 (2020年2月23日 10時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新しました! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6888f46f20 (このIDを非表示/違反報告)
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